夜景撮影は三脚が必要になるので、一眼レフ初心者の方は難しいと思っていないでしょうか?
実は夜景撮影の手順は決まっているので、誰でも簡単に撮影することができます!
このページでは夜景撮影の手順や設定、また失敗写真を防ぐポイントをご紹介しています。
ノーノちゃん
コヤくん
このページの目次
1. 夜景の作例
都会の街並みや夜景スポットの景色は、ぜひ写真に残しておきたいですよね。
撮り方をマスターして夜景写真を楽しんでみましょう。
ノーノちゃん
コヤくん
2. 準備するもの
レンズ
レンズはこのような選択肢があります。
- 標準ズーム:
広く写る広角~やや望遠まで撮影できます。 - 広角ズーム:
さらに広く写る広角レンズになります。 - 単焦点レンズ:
高画質で写す場合に用意します。
基本はカメラに付属の標準ズームレンズだけでも対応できます。
三脚
夜景撮影は長時間シャッターとなるため三脚を用意します。
三脚の選び方はこちらで解説しています。
おすすめ三脚の選び方(一眼レフ・ミラーレス向け)
リモート機器
夜景撮影は2秒タイマーでシャッターを切るのが便利ですが、以下の方法もあります。
- レリーズケーブル
- リモコン
- スマートフォンの遠隔操作
また機種によりスマホの専用アプリでシャッターを切ることができます。
ノーノちゃん
コヤくん
- 小型ライト(スマホのライトも可)
- 虫除けスプレー(夏用)
- カイロ(冬用)
展望台撮影の準備
展望台は屋外とは準備物が異なります。カメラに加えて以下の品物が役立ちます。
- 三脚の利用確認
- ミニ三脚
- 映り込み対策(ジャケット等)
展望台によっては三脚禁止の場所もあります。まず三脚の利用確認をしておきます。
展望台によってはミニ三脚が役立つ場合があります。
また屋内の照明が窓ガラスに反射して写真に映り込むので、ジャケットなどカメラを覆う衣類も用意します。
コヤくん
3. 夜景の基本設定
撮影モード | 絞り優先モード |
---|---|
F値 | F5.6~F11 |
ISO感度 | 100 |
露出補正 | ±0(状況により変更) |
ホワイトバランス | 白色蛍光灯(好みで選択) |
フォーカスモード | AF→MF |
手ブレ補正 | OFF |
セルフタイマー | 2秒 (またはレリーズケーブル・リモコン) |
設定を一つずつ説明していきます。
撮影モード
- 絞り優先オート
撮影モードダイヤルを「絞り優先オート(A/Av)」に設定します。
「絞り優先オート」を詳しく知りたい方はこちら
【絞り優先オート】とは?意味やシャッター優先との使い分け
F値
- フルサイズ・APS-C:F8
- マイクロフォーサーズ:F5.6
F値はカメラのタイプによりこのように設定します。
F値についてはこちらで解説しています。
F値(絞り値)とは?使い方を超初心者向けにわかりやすく解説
ISO感度
- ISO100
例外として屋外で風が強い場合は用心してISO感度を400などに上げ、シャッタースピードを速くする場合があります。
ISO感度についてはこちらで解説しています。
ISO感度とは?目安の数値や設定方法をわかりやすく解説
露出補正
- ±0
撮影して見た目の明るさでない場合は露出補正を調整します。
露出補正についてはこちらで解説しています。
【露出補正の使い方】初心者でも失敗しないコツをご紹介
ホワイトバランス
- 白色蛍光灯(好みで選択)
ホワイトバランスの色合いを好みで選択します。
※ニコン機の例になります。
ホワイトバランスについてはこちらで解説しています。
【ホワイトバランスとは?】色温度を変えるだけで写真が綺麗に!
フォーカスモード
- AF→MF
夜景撮影ではAF(オートフォーカス)で光源にピントを合わせ、その後MF(マニュアルフォーカス)に切り替えます。
手ブレ補正
- OFF
三脚使用時に手ブレ補正をONにしているとまれにブレが起きるためOFFにしておきます。
セルフタイマー
- 2秒
(またはレリーズケーブル・リモコン)
ノーノちゃん
次は撮影方法をご紹介します。
コヤくん
4. 撮影手順
ここでは屋外と屋内(展望台)の2つの夜景撮影方法をご紹介します。
①屋外撮影
三脚を設置
大阪府の淀川河川敷で中心街のビル群を撮影します。
構図を考えて三脚とカメラを設置します。
構図合わせ
三脚の雲台を操作して構図を決めます。表示が可能な機種であれば水準器を使って水平に合わせます。
ピント合わせ
光源をターゲットにしてAFでピント合わせを行います。
(ライブビュー拡大表示でMFでピント合わせをする方法もあります)
MF切り替え
ピント合わせができたらMFへ切り替えます。
ホワイトバランス
ホワイトバランスの色合いを選択すると、風景の色が青系や赤系などに変化します。
ここでは「オート」で撮影します。
※ホワイトバランスの色の違いは下の項目で解説しています。
シャッターを切る
セルフタイマー2秒でシャッターを切ります。
画像確認
撮影画像を拡大してピントを確認したり、写真の明るさを確認します。
露出補正を変えた撮影もしておくと明るさの失敗を防ぐことができます。
ノーノちゃん
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②展望台撮影
展望台到着
大阪市の南港にある咲洲コスモタワーから撮影します。
55階が展望室になっています。
(ここは三脚の使用が許可されています。※2019年7月現在)
機材
このミニ三脚を使って撮影を行います。
設置
展望室の窓ガラスは屋内の照明が反射して映り込んでいます。
特にこの窓ガラスは角度があり、レンズと窓ガラスに距離があるため映り込みやすくなっています。
なにも対策せずに撮影すると屋内が映り込んでしまいます。
映り込み対策
このような場合はジャケットをカメラに被せることで映り込みを防ぐことができます。
ポイントはジャケットをガラスに密着させ、レンズと窓ガラスの隙間を埋めることです。
片側からの映り込みであればリュックなどを置くことでも防ぐことができます。今回の撮影はこの状態で撮影しました。
場合により手をレンズの上にかざして照明の反射を防いだり、対策しながらの撮影になります。
ピント合わせ
明るい光源にピントを合わせ、MFに切り替えます(ここではAFフレームを移動させています)。
ピント合わせができたら構図を整えます。
ホワイトバランス
色合いを見ながらホワイトバランスを選択します。
ここでは「白色蛍光灯」を選択しています。
シャッターを切る
セルフタイマー2秒でシャッターを切ります。
別方向も撮影しました。
単焦点レンズはズームレンズより高画質に写るので、画質重視の場合は単焦点レンズを用意します。
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5. 夜景撮影5つのポイント
夜景撮影では、知っておくと綺麗に撮れるポイントがいくつかあります。
撮影テクニックや注意したいポイントを5つまとめました。
- 空の状態
- F値で光芒が変わる
- ホワイトバランスの違い
- 日没後はシャッターチャンス
- 手持ち夜景撮影
①空の状態
夜景の綺麗さは空の状態も重要になります。
大気が濁っていると、遠くの光が弱くなって輝きも弱くなります。
夜景写真でも上空の雲ははっきりと写ります。できれば雲のない空の方がスッキリした夜景になります。
ノーノちゃん
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②F値で光条が変わる
光条(こうじょう)はライトから星状に伸びる光の筋になります。
F値を大きくするほど光条が長くなりキラキラした印象を出すことができます。
F22などは画質低下が目立つようになるので、バランスを考えながらF値を設定します。
ノーノちゃん
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③ホワイトバランスの違い
ホワイトバランスは写真の色合いを変える機能になります。
「電球色」や「蛍光灯」、「太陽光」などを選ぶと色合いが変わります。
この赤みや青みの変化を利用して、写真の色を変化させることができます。
ホワイトバランスについてはこちらで解説しています。
【ホワイトバランスとは?】色温度を変えるだけで写真が綺麗に!
ホワイトバランスを使った作例
色合いの種類
夜景でよく使われる、オートと青系のホワイトバランスの色合いの違いを比較します。
オート
見た目に近い色合いで写ります。
電球
最も青みが強くなります。影響は全体に及び、オレンジ色の街路灯は黄色に変わっています。
白色蛍光灯
紫色が加わった色合いになります。
温白色蛍光灯
「電球」とは色味が異なる青みが強調されます。
ホワイトバランスをさらに細かく色調整することもできます。
④日没後はシャッターチャンス
晴れた日の日没後20~30分は空に青さが残る夜景が撮影できるトワイライトタイム(マジックアワー)になります。
ここはカーブした高速道路とイルミネーションが綺麗なスポットになっています。
このように日没後を狙って空のグラデーションを楽しむことができます。
次も同じく空に青さが残る時間帯の夜景になります。
綺麗なトワイライトタイムを撮るには雲の状態も影響します。なるべく雲が少ない天気の方がよいでしょう。
天気予報の衛星画像では詳細な雲の様子は確認しにくいですが、わかりやすい天気予報サイトがあります。
雲の動きがわかる天気予報サイト
参考
SCW-天気予報スーパーコンピュータが予測する天気予報
ノーノちゃん
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⑤手持ち夜景撮影
手持ちで夜景を撮影する場合は、ISO感度を高くしてシャッタースピードを速くします。
ISO感度を上げるほど画質は悪くなるので、手ブレしないギリギリのシャッタースピードで撮影することがコツになります。
ISO感度についてはこちらで解説しています。
ISO感度とは?目安の数値や設定方法をわかりやすく解説
ノーノちゃん
次は難しい内容ですが、夜景撮影に役立つのでご紹介します。
コヤくん
6. 失敗を防ぐテクニック(中級者向け)
夜景撮影は暗い中で撮影するため、液晶画面が通常より明るく見えることになります。
画面が明るいので写真の正しい露出(明るさ)がわかりにくく、露出の失敗が起こりやすくなります。
ここでは、その露出の失敗を防ぐ2つの方法をご紹介します。
- ヒストグラム
- 露出ブラケット
①ヒストグラム
ヒストグラムは明るさを判断できる図になります。
周囲が暗いと液晶画面で正しい明るさがわかりにくくなるので、ヒストグラムを見て判断します。
光源の多い夜景なのでこのヒストグラムでは写真が暗すぎることになります。
次に露出補正を「+1」にしてみます。
ただヒストグラムは写真によって山の形が変わるので注意が必要です。
この写真では橋以外は真っ暗なので、このようなヒストグラムでも適正露出になります。
写真によって山の位置は変わりますが、ヒストグラムを使うことで写真の明るさが判断しやすくなります。
ヒストグラムについてはこちらで解説しています。
カメラのヒストグラムとは?グラフの見方と使用例
②露出ブラケット
露出ブラケットは異なる明るさの写真を連続撮影できる機能になります。
明るさの違う写真を撮ることで露出ミスを防ぐことができます。
※設定画面は機種により異なります
この時点で露出補正「±0」を基準として、「-0.3」「±0」「+0.3」の3枚が撮影できるようになります。
露出ブラケットを設定したあとに露出補正を操作して位置をずらすこともできます。
この状態では「+0.3」を基準として「±0」「+0.3」「+0.7」の3枚が撮影されるようになります。
この設定でセルフタイマーを使ってシャッターを切るとこのようになります。
明るさの異なる3枚が撮影できました。
ノーノちゃん
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7. 夜景の撮り方まとめ
夜景撮影は一眼レフ初心者でも上級者でも手順は同じことをします。
三脚があれば誰でも撮影を楽しめるのが夜景撮影の楽しいところです。
初めての方はこのページを参考にチャレンジしてみてください。
- 準備品は標準ズームレンズと三脚だけでもOK
- 展望台ではミニ三脚も便利
- 屋内からの夜景は映り込みに注意
- ホワイトバランスで好みの色合いに
- F値を大きくして光芒を強調できる
- トワイライトタイムは空のグラデーションが綺麗
- 手持ち夜景撮影はシャッタースピードをチェック
- 露出ブラケットは異なる明るさをまとめて撮影できる
夜景撮影では三脚選びも重要になります。
おすすめ三脚の選び方(一眼レフ・ミラーレス向け)