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ISO感度とは?目安の数値や設定方法をわかりやすく解説

ISO感度とは?目安の数値や設定方法をわかりやすく解説

ISO感度を上手く使いこなすことで、手ブレの失敗を防いだり手持ちで暗いシーンの撮影ができるようになります。

このページでは、ISO感度の目安や設定方法をご紹介しています。

ノーノちゃん

いつも画面に表示されるけど、英語だし意味が全くわからないんだ。
実際にISO感度の数値を操作してみると、変化が理解できますよ。

コヤくん

1. ISO感度とは

ISO感度とは、わかりやすく言うとカメラに入る光を増やす機能になります。

数値は100~12800まで幅があり、例えば「100の光」を「800の光」にするなど、何倍にも増やすことができます。

ISO感度を上げることで、画質やシャッタースピードはこのような変化があります。

ISO感度の変化と目的

まとめるとこのようになります。

ISO感度を上げるメリット・デメリット
  • ISO感度を上げるほど画質が悪くなる
  • ISO感度を上げるほどシャッタースピードが速くなるのでブレにくくなる

ノーノちゃん

ISO感度は手ブレ防止に使うんだね。それなら絶対必要だ。
はい。「暗い場所で役立つ機能」と覚えるとわかりやすいですよ。

コヤくん

ISO感度の読み方

ISO感度の読み方は「イソかんど」「アイエスオーかんど」と呼ばれています。

昔から「イソ」の読み方は使われていましたが、現在は「アイエスオー」も多く使われています。

どんな場面で使用する?

よく使われる「絞り優先オート」では、シャッタースピードが遅い場合にISO感度を変更します。

ISO感度を高くしてシャッタースピードを速くする

ISO100の状態では手ブレしそうな1/20秒でしたが、ISO400に上げることで1/80秒に速くすることができました。

このように手ブレしそうな場合にISO感度を上げて、シャッタースピードを速くすることが主な使用目的になります。

ISO感度設定

ISO感度の設定は2種類あります。

ISO感度-初心者オート-中級者手動設定

ISO感度設定
  • オート(AUTO):初心者向け
  • 手動設定:中~上級者向け

ISOオート設定は自動でISO感度を設定してくれるので、初心者の方に適しています。

ISO感度は画質と関わるため、数値にこだわる場合は手動で設定します。

補足
近年のカメラは高感度でも画質が良いため、上級者でもISOオートで使われることがあります。

ノーノちゃん

ISOオート設定があるなら、初心者の僕はこれでいいね。
はい、カメラに慣れるまではオートをおすすめします。

コヤくん

2. ISO感度画質比較

ISO感度を上げると手ブレを防いでくれますが、そのかわり画質が落ちるデメリットがあります。

どの程度画質低下が起きるか、こちらの夜景写真で比較してみます。
(ニコン D5500で撮影)

ISO感度比較-高感度画質

まず、ISO100とISO12800ではこれだけの違いがあります。

ISO感度比較-ISO100-ISO12800

ISO100は綺麗ですが、ISO12800はノイズが出ていて濁ったような画質になっています。また解像感の低下も激しくなっています。

では次に、ISO感度を一つずつ確認してみましょう。

ISO感度比較-高感度ISO100-ISO800

ISO100~800の画質になります。

ほとんど違いはわからないですが、ISO800は右下のビル部分にノイズが発生し始めています。

ISO感度比較-高感度ISO1600-ISO12800

ISO1600~12800の画質になります。

ISO3200になるとノイズが目立ち始め、ISO6400は左上の「MODE」という文字がボヤッとして解像感も落ちていることがわかります。

ノーノちゃん

ISO12800って高性能みたいな数字なのに、画質は悪いんだね^^;
機種によってはISO25600や51200もできますが、画質はさらに悪くなっていきます。

コヤくん

手ブレ防止でISO感度を上げる

低いISO感度は高画質になりますが、暗い場所での低感度+手持ち撮影はシャッタースピードが足らずブレてしまいます。

それでは失敗写真になるので、画質は妥協してISO感度を上げて撮影するのがベストです。

ISO感度100-6400の比較-ブレ写真

イメージセンサーで画質が変わる

高感度画質の低下は、イメージセンサーの大きさが最も影響します。

センサーサイズの違いによる高感度性能

イメージセンサーについてはこちらで解説しています。
イメージセンサー(撮像素子)とは?サイズの比較一覧表ありカメラのイメージセンサーとは?サイズの比較一覧表あり

イメージセンサーが大きいほど、ISO感度を上げても画質劣化が起きにくくなります。

  • マイクロフォーサーズ:
    カメラはコンパクトですが、高感度の画質が劣ります。
  • APS-C:
    中間バランスの性能になります。
  • フルサイズ:
    価格が高くカメラは重いですが、高感度の画質は最も優れています。

この3つのイメージセンサーのカメラで、再び高感度を行なってみます。

比較条件
ノイズ低減は3機種ともに「標準」に設定し、3機種ともに単焦点レンズで撮影しています。
高感度画質の比較フルサイズ-APS-C-マイクロフォーサーズ
この部分を拡大して画質比較します。

ISO100

高感度ISO100画質の比較フルサイズ-APS-C-マイクロフォーサーズ

まずISO100での画質になります(マイクロフォーサーズのみ200が基本感度)。

低感度のため、どの機種も綺麗な画質になっています。

ISO3200

高感度ISO3200画質の比較フルサイズ-APS-C-マイクロフォーサーズ

センサーの小さいマイクロフォーサーズでは、画質低下と発色低下が始まっています。

APS-Cとフルサイズはまだ変化が少ないですが、わずかにAPS-Cにノイズが確認できます。

ISO6400

高感度ISO6400画質の比較フルサイズ-APS-C-マイクロフォーサーズ

ISO6400になるとマイクロフォーサーズの画質低下が進み、APS-Cも発色が悪くなっています。

フルサイズも画質低下が始まっていますが、まだ綺麗な状態を保っています。

一般的に、高感度画質の低下が目立つのはこのような感度が目安になります。

画質低下が目立つISO感度
  • マイクロフォーサーズ機:ISO1600~
  • APS-C機:ISO3200~
  • フルサイズ機:ISO6400~

ノーノちゃん

僕は一眼レフのAPS-C機なので、3200まで使えばいいのかな。
実際はAPS-Cでも画質差があり、また画質は好みもあるので、写真を見て決めるのがよいと思います。

コヤくん

3. 手ブレ補正で感度を抑える

強い手ブレ補正があると、暗い場所でもISO感度をあまり上げずに画質低下を抑えて撮影することができます。

ここでは手ブレ補正がない場合とある場合での感度を比べてみます。

手ブレ補正がない場合

例えば手ブレ補正がない状況で、日没後の夜景を手持ちで撮るとします。

以下の設定値だとシャッタースピードは1/2秒なので、手ブレする確率が高くなります。

  • 焦点距離50mm
  • F2.8
  • シャッタースピード1/2秒
  • ISO感度100

この場合ISO感度を3200まで上げることで、シャッタースピードが1/60秒となり、手ブレを防ぐことができます。

シャッタースピードが遅い-ISO感度
手ブレ補正なしでも1/60秒ならブレずに撮れそうです。

しかし、ISO感度が高いので画質低下が起きてしまいます。

手ブレ補正がある場合

上と同じ状況で、手ブレ補正効果が4段分のカメラを使っているとします。

この場合でもシャッタースピード1/2秒は手ブレする確率がありますが、ISO感度を少しだけ上げます。

シャッタースピードが遅い-ISO感度
ISO感度を800に上げると、シャッタースピードは1/15秒になりました。

1/15秒であれば、4段分の手ブレ補正効果でブレずに撮影できる確率が高くなります。

ISO感度も800であれば画質低下はあまり起きなくなります。

手持ち夜景撮影-ISO感度
実際に手持ちで撮影した夜景写真です。

このように手ブレ補正があることでISO感度を低く抑えて高画質で写すことができます。

手ブレ補正が強力なモデルも

メーカーによっては補正効果が強い機種も登場しています。

例えばオリンパスのOM-D E-M5 Mark IIIは補正効果が5.5段、またキヤノンのEOS R5はレンズと合わせて最大の補正効果8段というスペックになっています。

ここまで強力だと1/10秒程度でも手ブレの確率は低くなるので、よりISO感度を上げることなく撮影をすることができます。

ノーノちゃん

手ブレ補正があると、画質が良くなるメリットもあるんだね。
はい。また重たい三脚を持ち歩く負担を減らすことにもなります。

コヤくん

4. ISO感度の目安

ここではシーンごとに、目安となるISO感度の数値をまとめています。

ISO感度の数値は、手ブレをしにくいシャッタースピードになる場合の感度になります。

補足
実際はレンズの明るさで最適なISO感度は異なります。例えば開放F値4.0のレンズでISO3200が最適だったとしても、開放F値2.0のレンズではISO800で撮影できることになります。

ISO100

ISO100は、晴天下など十分な光量がある場面で使用します。また三脚使用の夜景撮影にも使用します。

ISO100感度使用イメージ

ISO200~800

ISO200~800は曇り空や日陰、屋内など、光量が少ない環境で使用します。

ISO200~800感度使用イメージ

ISO1600

ISO1600は夕方の風景、室内撮影や明るいイルミネーションなどで使用します。

マイクロフォーサーズ機の場合、この辺りの感度から画質低下が気になってきます。

SO800~1600感度使用イメージ

ISO3200

ISO3200は暗い屋内や夜の手持ち撮影で使用します。また日没後や星空撮影など、シャッタースピードを上げたい場面でも使用します。

APS-C機の場合、この辺りの感度から画質低下が目立つようになります。

ISO6400感度使用イメージ

ISO6400

ISO6400は星空撮影、また屋内のスポーツでシャッタースピードを上げたい場面で使用します。

ISO3200~6400感度使用イメージ

ISO12800

ISO12800などの超高感度は、目でも見えにくいような暗い環境で使用します。

高感度に強いフルサイズ機でも、拡大すると画質低下が気になる感度になります。

ISO6400~12800感度使用イメージ

ISO感度目安一覧表

ISO100 日当たりのいい場所、三脚での撮影時
ISO200 日陰、屋内、薄曇りの場合
ISO400
ISO800
ISO1600 風景(夕方)、室内撮影、イルミネーション
ISO3200 室内撮影、手持ち夜景、トワイライトタイム、星空撮影、高速シャッター目的
ISO6400 手持ち夜景、星空撮影、高速シャッター目的
ISO12800 明かりの少ない夜景の手持ち撮影、暗い場所

ノーノちゃん

だいたいどんな場面で使うのか、理解できたよ。
よかったです。ISO感度は明るさを増やす機能なので、基本は暗い環境ほど感度を高く設定します。

コヤくん

設定できるISO感度の幅

設定できるISO感度の幅は機種によって異なっています。

最新モデルでは100~25600、100~51200などの感度幅が一般的となっています。

キヤノンkissmのISO感度仕様表

キヤノンのEOS Kiss Mでは100~25600が設定できます。

通常使用として使う感度を「常用ISO感度」、メーカー推奨ではありませんが感度幅を広げた「拡張ISO感度」も使用することができます。

補足
「拡張ISO感度」はダイナミックレンジが狭くなったり、高感度画質が大幅に低下するデメリットがあります。

ノーノちゃん

僕のカメラは100~51200だったよ!高感度画質がいいってことだよね?
数値が高いのはもちろん良いですが、実際の高感度画質は上で解説したように、イメージセンサーのサイズでほぼ決まります。

コヤくん

5. 高度なISO感度設定(中級者向け)

ここではISO感度に関するワンランク上の設定を2つご紹介します。

この設定をすることで、ISOオートを適切に動作させて画質重視にしたり、高感度ノイズの画質設定ができます。

①ISO感度上限・低速限界設定

この2つの機能は、ISOオートで使う場合に適切な数値に設定してくれる機能になります。

  • ISO感度上限:
    自動で上がる限界の数値を指定できます。
  • 低速限界設定:
    自動で感度が上がるタイミングを指定できます。

この設定により、使いたくない画質の悪い感度を避けたり、カメラが適切なISO感度を設定してくれるようになります。

ISO感度上限設定
感度上限設定の画面になります。(ニコン機)

設定方法は複雑になるので、別ページでまとめています。

「低速限界設定」についてはこちらで解説しています。
ISOオートを上手く設定しよう(上限感度・低速限界)ISOオートを上手く設定しよう(上限感度・低速限界)

②ノイズ低減機能

ノイズ低減機能(ノイズリダクション)は、カメラが行うノイズ処理の有無や強弱を、選択する機能になります。

補足
ノイズ低減はJPEG撮影の場合に処理が行われます。RAW撮影の場合は処理されないため、ユーザーがLightroomなどのRAW現像ソフトでノイズ処理を行うことになります。
ノイズ低減標準
ノイズ低減の設定画面です。初期設定では「標準」になっています。

ノイズ低減処理は写真をぼかすような処理を行うことでノイズを目立ちにくくします。

下の作例は、ノイズ低減をOFFにした場合と「標準」にした場合の画質比較になります。

ノイズ低減画質比較

  • 「ノイズ低減OFF」はザラザラしたノイズが多く発生しています。
  • 「ノイズ低減標準」はノイズを消してくれますが、解像感も落ちます。

「ノイズ低減標準」は画質の解像感も落ちてしまいますが、わずかなのでノイズを消すメリットの方がありそうです。

ノーノちゃん

初心者はどの設定にしておけばよいの?
通常は「標準」でよいと思います。ただ好みと異なる場合は調整してください。

コヤくん

6. 高感度性能一覧表

DxOMarkという海外サイトが、独自に各機種の高感度をテストして数値化しています。

この数値は、DxOMarkが画質に許容できるISO感度となっていて、数値が高いほどISO感度が高くても画質が良いことになります。

補足
下記の一覧表はDxOMark社が掲載している数値をまとめたものになります。

フルサイズ機

フルサイズ機はいずれもISO感度3000前後までは画質低下が少ないと評価されています。

機種名 Low-Light ISO 機種名 Low-Light ISO
D750 2956 D850 2660
Z7 2668 Z6 3299
5D markIV 2995 EOS R 2742
α7III 3730 α7RIV 3344
K-1 3280 Lumix DC-S1 3333

APS-C機

APS-C機はISO感度1100~1400程度が許容ラインとなっています。

それぞれで年式の差があるため、新しい機種ほど性能が良くなり数値は高くなっています。

機種名 Low-Light ISO 機種名 Low-Light ISO
EOS 80D 1135 EOS 7D markII 1082
EOS M6 1317 EOS Kiss X9 1041
D7500 1483 D5600 1306
α6600 1497 α6400 1431

マイクロフォーサーズ機

センサーサイズの小さいマイクロフォーサーズ機は、ISO感度600~900程度の評価となっています。オリンパス「EM-1MarkII」のみ1300の評価がついています。

機種名 Low-Light ISO 機種名 Low-Light ISO
E-M1 markII 1312 E-M5 markII 896
E-M10 markII 842 PEN-F 894
GH5 807 GX7 markII 662

ノーノちゃん

なんだか高感度のテスト採点みたいだね。
あくまで1社のテスト結果ですが、おおまかな目安にはなると思います。

コヤくん

7. ISO感度まとめ

自分のカメラの高感度画質を把握することで、ISO感度の設定がしやすくなります。

また絞り優先オートではISO感度を操作することでシャッタースピードを調整することができるので、手ブレの対策としても重要な機能になります。

関連するシャッタースピードや絞り(F値)の知識も重要なので、一緒に覚えてみてください。

まとめ
  • ISO感度を上げるとブレを回避できる
  • ISO感度が高いほど画質が悪くなる
  • 初心者はISOオート設定が便利
  • 動く被写体には感度を上げる
  • センサーが大きいほど高感度画質に強い

シャッタースピードについてはこちらで解説しています。
シャッタースピードとは?目安と使い方をわかりやすく解説シャッタースピードとは?目安と使い方をわかりやすく解説

F値についてはこちらで解説しています。
F値(絞り値)とは?使い方を超初心者向けにわかりやすく解説F値(絞り値)とは?使い方を超初心者向けにわかりやすく解説

ISOオートを上手く使う設定を解説しています。
ISOオートを上手く設定しよう(上限感度・低速限界)ISOオートを上手く設定しよう(上限感度・低速限界)