このページでは、カメラの基礎用語となる「露出」について解説しています。
露出を知っておくと、F値やシャッタースピードなどの用語も理解しやすくなります。
ノーノちゃん
コヤくん
このページの目次
1. 露出とは
露出とはイメージセンサーに当たる光の量のことで、簡単に言うと「写真の明るさ」になります。
カメラは絞り穴の大きさ(大きいほど光が多く入る)やシャッタースピード(遅いほど光が多く入る)を調整することで、写真の明るさを決めます。
またカメラに入った光を増幅するISO感度も露出に影響します。
そのため写真の明るさは、絞り(F値)・シャッタースピード・ISO感度の3つの要素で決まることになります。
明るさの変化
絞り(F値)・シャッタースピード・ISO感度はそれぞれ明るさに影響します。
下の図は、数値と明るさの変化を示したものです。
絞り(F値)
絞り(F値)を開くほど多くの光が入るので、写真は明るくなります。
(絞りを開くほどF値の数字は小さくなります。)
シャッタースピード
シャッタースピードが遅いほど、シャッターが長く開くので多くの光が入り、写真は明るくなります。
(1/2秒や1/8秒は遅く、1/500秒は速くなります。)
ISO感度
ISO感度はカメラに入った光を増やす機能になります。感度を上げるほど光が増えるので、写真は明るくなります。
(数字が大きくなるほど感度が上がります。)
2. 露出はカメラが決める
マニュアルモードを除く「オート、P・A・Sモード」などの撮影モードでは、カメラが露出(明るさ)を自動で決めてくれます。
このカメラが決める露出を「AE(えーいー)」または「自動露出」といいます。
カメラ内部には露出計が入っているので機種によりカメラの電源を入れる、またはシャッター半押しで測光を開始すると、周囲の明るさを測定し始めます。
※絞り優先モードの場合はシャッター速度のみが変化します
このように常に露出計が動作していて、カメラは周囲の明るさを判断して絞り(F値)とシャッタースピードを常に調整しています。
このカメラが決めた露出が見た目と一致しない場合は、露出補正を操作して撮影者が明るさを変えることができます。
ノーノちゃん
コヤくん
3. 露出の仕組み
ここでは「Aモード(絞り優先)」の場合の露出の仕組みを、アニメーションで説明します。
例えば「Aモード」の場合、撮影者が絞りを開いたり閉じたりしてF値を設定しますが、その時カメラはシャッタースピードを調整して適正な明るさにします。
まずは絞りを開いた場合のイメージになります。
※一眼レフはシャッターの前にミラーがあります。
絞りを開く(F値を小さくする)とカメラに入る光量が増えるので、カメラはシャッタースピードを速く調整して光量を減らし、適正な明るさにします。
次は絞りを絞った場合になります。
絞っても写真は同じ明るさで写ります。
絞りを絞る(F値を大きくする)とカメラに入る光量が減るので、カメラはシャッタースピードを遅く調整してイメージセンサーに当たる光量を増やします。
その結果、絞りを開いた場合でも絞った場合でも、写真の明るさは同じになります。
このようにAモードでは絞りを操作すると、それに合わせてカメラはシャッタースピードを調整して露出を一定にしています。
- Sモード(シャッター速度優先)の場合:
撮影者がシャッタースピードを設定し、それに合わせてカメラが適正な明るさになるよう絞り値を調整します。 - Pモード(プログラムオート)の場合:
カメラが適正な明るさになるよう、絞り値とシャッタースピードを設定します。撮影者はその数値の組み合わせを変更できますが、写真の明るさは同じになります。
ISO感度を上げた場合
撮影者がISO感度を上げた場合、イメージセンサーに当たる光が増幅されます。
これは強い光がカメラに入るのと同じことになるので、カメラはシャッタースピードを速くして光量を抑える動きを行い、ここでも写真の明るさは同じになります。
つまりF値・シャッタースピード・ISO感度のどの数値を変更しても、カメラは露出を一定に保つように動作します。
ノーノちゃん
コヤくん
4. 露出アンダー・オーバー
カメラのAE(自動露出)は、あくまでカメラの基準で決まるため見た目の明るさと異なる場合もあります。
写真が暗く写ってしまった場合を「露出アンダー」、明る過ぎた場合を「露出オーバー」といいます。
カメラはある程度見た目の明るさにしてくれますが、例えば日陰では極端に明るく写したり、太陽など明るい物が入ると極端に暗く写す傾向があります。
このような場合は露出補正を操作して、撮影者が正しい明るさに設定し直す必要があります。
5. AEロック
「オート、P・A・Sモード」などの撮影モードでは、カメラは常に周囲の明るさを計測しています。
そのため、一度ピントを合わせてから構図を動かしたとき、背景の明るさが変わると露出が変化し、被写体が露出オーバーになったりアンダーになることがあります。
この場合は、ピントを合わせた時にAEロックボタン(AELボタン)を押すことで、構図を動かしても被写体の明るさが変わらずに撮影することができます。
AEロックボタンの位置は機種によって違いがあるので、わからない場合は取扱説明書をご確認ください。
6. まとめ
カメラ初心者の方にとっては「露出」の意味が理解しにくいと思います。
しかし「写真の明るさ」と置き換えれば特に難しくありません。
F値やシャッタースピードなどのカメラ用語を勉強する場合にも、露出は必ず出てくるので早い段階で覚えてしまいましょう。
- 写真の明るさはF値・シャッタースピード・ISO感度で決まる
- カメラが決める露出(明るさ)をAE/自動露出といいう
- 絞りを設定しても、カメラはシャッタースピードを調整して適正な明るさにしてくれる
- 状況により見た目の明るさにならないことがあるので、その場合は露出補正を使う
露出を理解するには以下のページも覚えておきましょう。
【露出補正の使い方】初心者でも失敗しないコツをご紹介
F値(絞り値)とは?使い方を超初心者向けにわかりやすく解説
シャッタースピードとは?目安と使い方をわかりやすく解説
ISO感度とは?目安の数値や設定方法をわかりやすく解説