夕日写真は「見た目通りに撮れない」というケースがよくあります。
実は、簡単な方法で見た目と同じような綺麗な夕日を撮ることができます!
このページでは夕日撮影の設定と、3つの撮影ポイントをご紹介しています。
ノーノちゃん
コヤくん
このページの目次
1. 夕日写真の作例
夕日写真はカメラの設定で色鮮やかに写したり、シルエットを活用するとより綺麗な写真を撮ることができます。
ノーノちゃん
まずは準備からご紹介しますね。
コヤくん
2. 日没時刻と気象条件
夕日撮影で出発前に把握しておきたいのは、日没時刻と気象条件になります。
日没方向・時刻
夕日がどの方角に沈むか、いつ沈むのかは夕日撮影で大事な情報になります。
日没の方角と時間は以下のサイトを利用すると便利です。
日没時刻情報サイトはこちら
参考
日の出・日の入りマップ
日の出日の入りマップの使い方はこのようになります。
表示された赤線の方向から、夕日がどこに沈むかを推測することができます。
ノーノちゃん
コヤくん
気象条件
綺麗な夕日が見れるかどうかは気象条件で決まります。
この日は晴れていましたが、西の方向だけ雲が多く夕日が見えませんでした。
このように雲は西から流れてくるため、夕方は西の空が曇ってしまうことがあります。
同じ場所の快晴の日です。遠くまで雲一つない天気の夕焼けです。
夕方の西の空を確認するには、天気予報を活用することで雲の状態を予測することができます。
一般的な気象衛星画像よりも詳細な、スーパーコンピューターを使った天気予報を利用するとわかりやすいです。
詳細な天気予報サイトはこちら
参考
SCW-天気予報スーパーコンピュータが予測する天気予報
「SCW-天気予報」の天気図になります。黒い部分は雲がないエリア、白い部分は雲、紫は降雨エリアを表しています。
白い部分の表示にも濃度があり、白が濃く雲が分厚いほど夕日撮影は難しくなります。
この天気図をもとに、撮影するポイントから西方向の状態をチェックすることができます。
3. 準備するもの
夕日撮影に準備するものはこのようになります。
- 標準ズーム:
広い景色を写すのに適しています。 - 望遠ズーム:
望遠で大きく拡大して撮影できます。 - 高倍率ズーム:
レンズ1本で広角~望遠をカバーできます。
カメラに付属のダブルズームキットがあれば対応できます。
日没後の空が青くなるトワイライトタイムを撮影する場合は、シャッタースピードが遅くなるので三脚があると安心です。
ノーノちゃん
コヤくん
4. 夕日撮影の基本設定
撮影モード | 絞り優先オート |
---|---|
F値 | F8~F11 |
ISO感度 | 100~400(日没前) 800~1600(日没後) ISOオート設定でも可 |
露出補正 | -0.3(状況により変更) |
ホワイトバランス | 日陰または曇り |
水準器 | ON |
※画面はニコン機になります
上記の設定を一つずつ説明していきます。
撮影モード
- 絞り優先オート
「絞り優先オート」を詳しく知りたい方はこちら
【絞り優先オート】とは?意味やシャッター優先との使い分け
F値
- F8~11
F8~11程度に絞ることで、写真四隅まで画質が良くなります。
F値についてはこちらで解説しています。
F値(絞り値)とは?使い方を超初心者向けにわかりやすく解説
ISO感度
- 100~400(日没前)
- 800~1600(日没後)
カメラの操作に慣れていない人は「ISOオート」に設定しておきます。
ISO感度についてはこちらで解説しています。
ISO感度とは?目安の数値や設定方法をわかりやすく解説
露出補正
- -0.3
夕日の露出補正は一般的にややマイナスで適正になります。
ただ明るさはカメラによって差があるので、1枚撮影して明るさを確認するのがベストです。
このように露出補正で明るさが変わります。
もし設定に迷った場合は「-0.3」に設定しておくのが無難です。
露出補正についてはこちらで解説しています。
【露出補正の使い方】初心者でも失敗しないコツをご紹介
ホワイトバランス
- 「曇天」や「日陰」
ホワイトバランスを選択すると写真の色合いを変えることができます。
(メーカーにより一部名称が異なります)
ホワイトバランス「オート」と「日陰」の効果の違いはこのようになります。
ホワイトバランスを設定して撮影する場合、ミラーレスの場合は画面でホワイトバランスの変化を確認することができます。
ノーノちゃん
コヤくん
ホワイトバランスについてはこちらで解説しています。
【ホワイトバランスとは?】色温度を変えるだけで写真が綺麗に!
水準器
- 水準器:ON
広い風景を撮る夕日写真では地平線や水平線も構図に入ることが多いです。
地平線が傾いていると気になるので、水準器を活用してピシッと綺麗な構図で撮影します。
ノーノちゃん
次は撮影手順をご紹介します。
コヤくん
5. 撮影手順
夕日の撮影方法をご紹介します。
ピント合わせ
遠くのシルエットの境目にフォーカスポイントを合わせます。
シャッターを切る
そのままシャッターを切ります。
画像確認
ピント確認と明るさ、構図などを確認します。
ノーノちゃん
コヤくん
6. 夕日撮影4つポイント
夕日撮影では高度なテクニックはいりませんが、その反面ピント合わせや構図などの基本が大切になります。
また綺麗な夕日写真が撮れるポイントなどを4つご紹介します。
- AFの合わせ方
- 構図の決め方
- シルエットを活用
- 日没後も撮影チャンス
①AFの合わせ方
カメラのAF(オートフォーカス)は模様のない部分はピンとが合いにくくなります。
そのため、風景でコントラストがある雲やシルエットにAFポイントを合わせます。
どちらもかなり遠い場所にピントを合わせるので、パンフォーカスとなり全ての範囲にピントが合うようになります。
②構図の決め方
夕日撮影に限りませんが、構図を考えることで写真の主役を表現することができ、見栄えも良くなります。
水平線の位置をかなり下にしています。空がダイナミックなので空の部分を敢えて広くしています。
この場合は雲の反射も綺麗なので、空も見せる構図にしています。
このように主役を決めることで、写したいものがはっきり伝わる写真になります。
これは水面の反射を重視した構図で、シルエットもあるので見どころの多い写真になっています。
ノーノちゃん
コヤくん
三分割法
被写体が中央に位置する構図は「日の丸構図」と呼ばれ単調な雰囲気になることがあります。
そこで三分割法を使うことで被写体の位置を中央からずらし、動きを感じる構図にすることができます。
三分割法は必ずこの四点にぴったり合わせる必要はなく、少しずらす感覚で構図合わせをすれば大丈夫です。
ノーノちゃん
コヤくん
③シルエットを活用
夕日写真では基本的に風景は暗いシルエットになります。
上手く合わせることで絵画のように見えたり、見どころの多い夕日写真になります。
橋は夕日との相性が良く、構図に入れるだけでオシャレな写真になります。
船も夕日と一緒に写すといい雰囲気になる被写体です。
④日没後も撮影チャンス
日没後の約30分は空が青くなり、幻想的な風景が撮影できるトワイライトタイムになります。
ノーノちゃん
次は少し難しい内容ですが、夕日撮影には役立つ設定になります。
コヤくん
7. 撮影テクニック(中級者向け)
さらに綺麗な夕日写真を撮るテクニックを2つご紹介します。
- 階調補正
- 露出ブラケット
①階調補正
階調補正は極端に明るい部分と暗い部分があるコントラストの高い写真を、見た目に近い写真にしてくれる機能です。
各メーカーで名称は異なっていますが、基本は同じ効果が期待できます。
- キヤノン「高輝度側・階調優先」
- ニコン「アクティブD-ライティング」
- ソニー「Dレンジオプティマイザー」
- オリンパス「階調」
- パナソニック「iDレンジコントロール」
- ペンタックス「ハイライト・シャドウ補正」
- フジフイルム「拡張DR」
実際の使用効果はこのようになります。
このように階調補正で撮影すると、人間の目で見える風景に近くなります。
HDR合成
また「HDR(ハイダイナミックレンジ)合成」というさらに効果の高い機能もあります。
HDRを使うと、カメラは自動で明るい写真と暗い写真を撮影し、それを1枚に合成してくれます。
HDR合成は効果が強すぎると違和感が出る場合もありますが、夕日撮影では効果がはっきり出るので適しています。
ノーノちゃん
コヤくん
②露出ブラケット
露出ブラケットは、異なる明るさの写真を連続で撮影できる機能になります。
どの明るさがよいか迷った場合でも、複数の明るさが撮影できるので露出の失敗を防ぐことができます。
この状態では「-0.3、±0、+0.3」の3枚が撮影される設定になっています。
夕日の場合は少し暗めがよいので、ここから露出補正をマイナス1/3段(1メモリ暗い設定)にします。
シャッターを3回切るか、または連写モードにすると設定した枚数だけが撮影できます。
8. 夕日の撮り方まとめ
夕日の撮り方は特に難しい設定はなく、一眼レフ初心者でも手軽に撮影を楽しめます。
夕日の表情は毎日変わるので、その時しか撮れない夕日写真を撮影してみてくださいね。
- SCW-天気予報で空の様子を確認しておく
- F値は8~11、露出補正はややマイナス
- ホワイトバランスの「曇り」や「日陰」で空の赤味が強調できる
- ピント合わせは雲やシルエットに
- 綺麗なもの、見せたいものを構図に入れる
- 三分割法で動きのある構図に
- 日没後のトワイライトタイムは空が青くなる
- 階調補正を使うと見た目の夕日に近くなる
- 露出補正に困ったら露出ブラケットが便利
夕日撮影では露出補正の使い方が重要になります。
【露出補正の使い方】初心者でも失敗しないコツをご紹介