最適なシャッタースピードは場面によって異なるので、経験がないと覚えるのは難しいです。
しかしシャッタースピードの目安を知っていると、実は初心者の方でも撮影が簡単になります。
このページではシーン別のシャッタースピードや、手ブレを防ぐ方法などをまとめています。
ノーノちゃん
コヤくん
このページの目次
1. シャッタースピードを活用した作例
高速シャッターにして電車の動きを止めています。
同じく高速シャッターで豪快な水しぶきを捉えています。
スローシャッターにして車の流れを表現しています。
ノーノちゃん
コヤくん
2. シャッタースピードとは
シャッタースピードとは、シャッター幕が開いてカメラに光を取り込む時間をいいます。
わかりやすく言うと、「カシャッ!」というシャッター音の長さになります。
特徴や使い方をまとめるとこのようになります。
- 動く被写体のブレをコントロールできる
- 遅いシャッタースピードは手ブレに注意
シャッタースピードの仕組み
昼間など明るい場所ではシャッタースピードは速く、暗い場所では遅くなります。
シャッタースピードが速く、手ブレの心配はありません。
シャッタースピードが遅く、手ブレしやすくなります。
※実際には一眼レフはシャッターの前にミラーがあり上下します。
シャッターの動きはこのようになります。
- 明るい場所:
露出オーバーにならないよう、シャッター時間を短くして光量を減らす。 - 暗い場所:
シャッター時間を長くして、光を多く取り込んで写真を明るくする。
ノーノちゃん
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設定できる撮影モード
シャッタースピードを操作するには、以下の撮影モードを使用します。
M:マニュアルモード(上級者向け)
- S:ニコン、ソニー、オリンパス、パナソニック
- Tv:キヤノン、ペンタックス
シャッター優先オートの特徴
ノーノちゃん
コヤくん
「シャッター優先オート」についてはこちらで解説しています。
【シャッター優先オート】の使い方と真っ暗な写真にならない方法!
シャッタースピード早見表
シャッタースピードの数値は「1/8、1/10、1/13、1/15、1/20…」と小刻みに変化します。
カメラ用語では「段」という大きな区切りの数字を目安に、シャッタースピードを考えます。
- 「段」という大まかな数値で考える
ノーノちゃん
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- 機種により、「1/60」秒を「60」と分母のみで表示します。「2秒」など1秒以上は「2″」と表示されます。
- 1/8の次が1/15(本来は1/16)、1/60(本来は1/64)の次が1/125(本来は1/128)となっていますが、わかりやすくキリのいい数字で表示されています。
- バルブモード(花火撮影で使われる)を使うと、押した時間でシャッタースピードを決めることができます。
3. ブレの変化比較
シャッタースピードを変えることで、動く被写体の表現をコントロールすることができます。
1/1000秒では、水しぶきを止めて荒々しく表現できますが、2秒では霧のように写ります。
以下は、流れの変化をシャッタースピードごとに比較しています。
流れの速さによりますが、この例では1/60秒あたりから流れが表現できるようになります。
1/15秒程度は見た目の印象に近く、さらに1秒以上にシャッタースピードを遅くすると霧状の流れになっていきます。
■写真全体の流れ比較(クリックすると写真が拡大します)
1/250秒 | 1/125秒 | 1/60秒 |
1/15秒 | 1/4秒 | 2秒 |
ノーノちゃん
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4. シャッタースピードの目安
ここではシャッタースピードごとに目安となるシーンをご紹介します。
動く被写体の撮影場面でシャッタースピードがわからない方は、以下の例を参考にしてみましょう。
1/4000~1/1000秒(凄く速い)
1/1000秒以上は高速シャッターになり、非常に速い動きをブレずに止めたい場合に使用します。
ノーノちゃん
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1/1000~1/250秒(速い)
スポーツや子供の撮影などに使われる速いシャッタースピードです。
曇りなど光量が弱い場合は、シャッタースピードをやや遅めに設定します。
1/250~1/60秒(普通)
屋内や夕方の風景など、光量が少ない場面でのシャッタースピードになります。動きによっては被写体ブレが起きる速度です。
1/60~1/2秒(遅い)
手ブレしやすい、遅いシャッタースピードです。暗い環境での撮影や、わざとブレを表現する場合にも使います。
1~10秒(遅い)
夜景や花火など、シャッターを長く開ける撮影になります。手ブレするため三脚は必須になります。
10~30秒(凄く遅い)
シャッタースピード10秒以上の撮影になります。さらに長い時間シャッターを開け、光を集めたい場面で使用します。
シャッタースピード目安一覧表
1/4000~1/1000秒 (凄く速い) |
新幹線(横)、遊園地、鉄道(在来線)、野鳥(飛行中)、水しぶき、ペット(走る)、運動会(徒競走)、日光下 |
---|---|
1/1000~1/250秒 (速い) |
運動会、屋外の子供、スポーツ(屋内)、スポーツ(屋外) |
1/250~1/60秒 (普通) |
室内ペット、室内子供、料理、風景(夕方) |
1/60~1/2秒 (遅い) |
手持ち夜景、トワイライトタイム、飛行機(流し撮り)、車(ブレ)、鉄道(ブレ)、人(ブレ)、鉄道(流し撮り)、水の流れ |
1~10秒 (遅い) |
夜景、花火 |
10~30秒 (凄く遅い) |
車のライト、星空 |
ノーノちゃん
次は、シャッター優先オートで暗く写る現象について解説します。
コヤくん
5. シャッター優先オートで暗くなる理由
「シャッター優先オート」で撮影していると、写真が暗く写ることがあります。
これはシャッタースピードを速く設定したため、カメラに入る光量が不足したことが原因です(F値は点滅表示になります)。
この場合はISO感度を上げることで解決できます。
このような曇り空では光量が弱くなります。
高速シャッターにするとさらに光量不足になるので、ISO感度を高く設定して対処します。
ノーノちゃん
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6. 手ブレの防止方法
「絞り優先オート」を使っている場合、シャッタースピードが遅いと手ブレが起きやすくなります。
一般的に手ブレしやすいのはこのようなシャッタースピードになります。
手持ちの夜景撮影をすると、このような失敗写真がよくあります。
このような場面はシャッタースピードを速くして対処します。
- ISO感度を高くする
- F値を小さくする
それぞれ解説していきます。
ISO感度を高くする
ISO感度を上げることで光量が増え、シャッタースピードを速くすることができます。
手ブレ対策には最も簡単な方法ですが、ISO感度を上げるほど画質が低下するのでバランスを考えながら設定します。
「ISO感度」を詳しく知りたい方はこちら
ISO感度とは?目安の数値や設定方法をわかりやすく解説
F値を小さくする
F値を小さくして絞りを開くことで、光の量が増えるのでシャッタースピードを速くすることができます。
「F値」を詳しく知りたい方はこちら
F値(絞り値)とは?使い方を超初心者向けにわかりやすく解説
ノーノちゃん
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7. シャッタースピードのまとめ
初心者の方にとって「シャッター優先オート」は少し難易度が高い撮影モードになっています。
ただ使えるようになると、流し撮りやブレを表現したかっこいい写真が撮れるので、一つずつ試してみてください。
関連する絞り(F値)やISO感度も合わせて覚えることで、カメラの上達につながります。
- シャッタースピードはカメラに光を取り込む時間
- 明るい場所では速く、暗い場所では遅くなる
- 瞬間を捉えるなら1/1000秒以上の高速シャッターを使う
- スローシャッターでブレを表現できる
F値についてはこちらで解説しています。
F値(絞り値)とは?使い方を超初心者向けにわかりやすく解説
ISO感度についてはこちらで解説しています。
ISO感度とは?目安の数値や設定方法をわかりやすく解説