子供の写真では「ピントが合わない」、「写真がブレてしまう」、このような失敗は多くの方に経験があると思います。
しかし実は解決方法は簡単で、シャッタースピードを設定するだけでたいていの失敗写真は防ぐことができます!
また屋内、野外での撮り方や6つのテクニックもまとめています。
ノーノちゃん
コヤくん
このページの目次
1. 子供写真の作例
子供の写真は普段の遊び風景や、七五三などのイベント事、またスポーツなど様々な場面で記録しておきたいですね。
子供の写真はシチュエーションによって撮り方や難易度が異なります。
じっとしている状態を撮るなら簡単ですが、動き回っている場合は撮り方を工夫する必要があります。
ノーノちゃん
まずは、準備からご紹介していきます。
コヤくん
2. 準備するもの
子供撮影に使うレンズになります。
- 標準ズーム:
近距離の撮影に適しています。 - 望遠ズーム:
離れた場所からの撮影や、スポーツ撮影に適しています。 - 単焦点レンズ:
室内でもブレにくいレンズになります。
カメラ付属のダブルズームキットがあれば、たいていのシーンは対応できます。
ノーノちゃん
コヤくん
3. 子供撮影の基本設定(屋外)
撮影モード | シャッター優先オート |
---|---|
シャッタースピード | 晴天下:1/500秒~1/1000秒 曇りや日陰:1/250秒 |
ISO感度 | 晴天下:ISO100 曇りや日陰:ISO800~1600 |
フォーカスモード | AF-C |
AFエリア | 中央付近 |
ドライブモード | 連写 |
※画面はニコン機になります
設定方法と手順をご紹介します。
撮影モード
- シャッター優先オート
撮影モードダイヤルを「S(またはTv)」に合わせます。
「シャッター優先オート」を詳しく知りたい方はこちら
【シャッター優先オート】の使い方と真っ暗な写真にならない方法!
シャッタースピード
- 晴天下:1/500秒~1/1000秒
- 曇りや日陰:1/250秒
速いシャッタースピードを設定することで、被写体ブレ(子供の動きによるブレ)を防ぐことができます。
天候によってシャッタースピードをそれぞれ設定します。
シャッタースピードについてはこちらで解説しています。
シャッタースピードとは?目安と使い方をわかりやすく解説
ISO感度
- 晴天下:ISO100
- 曇りや日陰:ISO800~1600
カメラの操作に慣れていない人は「ISOオート」に設定しておきます。
ISO感度についてはこちらで解説しています。
ISO感度とは?目安の数値や設定方法をわかりやすく解説
フォーカスモード
- AF-C
フォーカスモードをAF-C(コンティニュアスAF)に設定します。
※各社で名称が異なり、キヤノンは「サーボAF」、オリンパスは「C-AF」を選択します。
AF-Cにすると、半押しでピントを合わせ続ける間は子供が動いてもカメラが自動でピント合わせを続けてくれます。
「AFモード」を詳しく知りたい方はこちら
AFモード(フォーカスモード)とは?2つのモードから選択するだけでOK
AFエリア
- 中央付近
カメラが自動でピント合わせを続けるエリアの選択になります。
エリアは全体よりも中央に絞った方がピントが合う確率が高くなります。
ニコン機の場合はこのような画面になります。
AFエリアの選択は各メーカーで名称が異なっています。
キヤノン | 「領域拡大AF」や「ゾーンAF」を設定します。 |
---|---|
ニコン | 「ダイナミックAF」から9点や21点を選択します。 |
ソニー | 「ロックオンAF(またはリアルタイムトラッキング)」を選択するとピントが子供を追いかけてくれます。 |
ペンタックス | 「セレクトエリア拡大」を選択します。 |
「AFエリア」を詳しく知りたい方はこちら
AFエリア(フォーカスエリア)モードとは?失敗しないエリアの選択方法
ドライブモード
- 連写
ドライブモードを連写にしておきます。
設定は以上になります。
4. 撮影手順(屋外)
ピント合わせ
動く子供をファインダーの中央付近に合わます。
※画像のフォーカスポイントはイメージです
シャッターボタンを半押ししてピントを合わせ、半押しのままカメラを動かして子供を中央付近に合わせ続けます。
シャッターを切る
タイミングを見て連写撮影します。
動く子供を撮る失敗しない方法とは?
動く子供を撮る場合に重要なことをまとめました。
ピント合わせ
実際の撮影ではなるべく画面中央に子供の顔が位置するよう、子供に合わせて常にカメラも動かし続けることになります。
追従性能が重要
動く被写体にはカメラのAF追従性能(自動でピントを追う機能)も重要になります。
入門機だとAF性能が低いので、撮影者が正確に合わせていてもピントが追いつかないことがあります。
このようなシーンでは中級機以上が適しています。
ノーノちゃん
コヤくん
5. 子供撮影の基本設定(屋内)
撮影モード | シャッター優先オート |
---|---|
シャッタースピード | 1/125秒 |
ISO感度 | 1600~3200 |
フォーカスモード | AF-S |
AFエリア | 中央1点 |
ドライブモード | 連写 |
それぞれの設定についてご紹介します。
撮影モード
- シャッター優先オート
撮影モードをシャッター優先オートに設定します。
シャッタースピード
- 1/125秒
シャッタースピードを1/125秒を目安に設定します。
1/500秒などにすると、ISO感度が上がって画質が悪くなるため速度を抑えています。
ISO感度
- 1600~3200
操作に慣れていない人は「オート」に設定します。
ISO感度についてはこちらで解説しています。
ISO感度とは?目安の数値や設定方法をわかりやすく解説
フォーカスモード
- AF-S
フォーカスモードは「AF-S」に設定します。
AF-Sはカメラが自動でピントを追う機能はなく、通常撮影のピント合わせになります。
ノーノちゃん
コヤくん
AFエリア
- 中央1点
AFエリアは中央1点を選択します。
ドライブモード
- 連写
必要に応じて連写モードにします。
設定は以上になります。
6. 撮影手順(屋内)
ピント合わせ
子供が座って遊んでいる時などに、中央1点でピント合わせをします。
シャッターを切る
いい表情のタイミングでシャッターボタンを押します。
カメラを向けられるのが苦手な子もいるので、その場合はできるだけカメラの存在に気づかれないよう撮影します。
室内での画質低下を防ぐ方法とは?
室内ではISO感度が上がるため画質低下が起きやすくなります。
この対策としては2つあります。
フルサイズを使う
フルサイズ機を使えばISO3200や6400でもそれほど画質低下は目立たないので室内撮影に適しています。
ただ高級機になりますしカメラも重たく扱いにくくなります。
単焦点レンズを使う
単焦点レンズで撮影すると3つのメリットがあります。
- シャッタースピードが速くなる
- ISO感度をあまり上げなくてよい
- 背景ボケが表現できる
単焦点レンズはF値が小さいので、シャッタースピードが速くなります。
そのためブレ写真の失敗が起きにくく、ISO感度をあまり上げなくてよくなります。
室内撮影をする場合は単焦点レンズを1本用意しておくと便利です。
下の項目「④単焦点レンズを使う」でも説明しています。
ノーノちゃん
次は上手くなる撮影のポイントをご紹介していきますね。
コヤくん
7. 子供撮影6つのポイント
撮り方のテクニックや機能が多すぎて、どれを使ったらいいか迷うことがあると思います。
ここでは子供を上手く撮る簡単な6つのポイントをご紹介します。
※全て一度にするのではなく、できそうなものから順番に試して見ましょう。
- 瞳AFで成功率が上がる
- 目線を合わせる
- 望遠レンズで撮る
- 単焦点レンズを使う
- 連写を使う
- 室内では外光を利用する
①瞳AFで成功率が上がる
瞳AFに対応した機種を使うと、子供が振り向いた一瞬でもピントが合うので素早く撮影ができます。
画像出典:ソニー公式サイト
「8. 撮影が簡単になるカメラ」の項目では、瞳AFが使える機種をご紹介しています。
顔認識
「顔認識」(一眼レフはライブビューの顔認識)でもピント合わせがしやすくなります。
追尾性能は高くありませんが、あまり動いていない状態なら自動でピント合わせができます。
②目線を合わせる
子供の目線にカメラを合わせることで子供の自然な表情を撮ることができます。
大人目線で撮影すると子供は上を向く表情になってしまいますが、子供目線で撮ると自然な表情で写すことができます。
③望遠レンズで撮る
望遠撮影すると背景がボケる印象的な写真になり、またカメラを意識しないので自然な表情を写すことができます。
男の子の高さに合わせてカメラを低くしているところもポイントです。
④単焦点レンズを使う
単焦点レンズでF1.8などF値を小さくして撮影すると、背景がボケた雰囲気のある写真を撮ることができます。
またシャッタースピードが速いので、被写体ブレ(子供の動きによるブレ)も起きにくくなります。
単焦点レンズの選び方についてはこちらで解説しています。
人気のおすすめ【単焦点レンズ】メーカー別まとめ
⑤連写を使う
連写撮影することで、一瞬の子供の表情を写すことができます。
子供はいろんな表情をするので、たくさん撮ることでベストショットを撮れる確率が高くなります。
⑥室内では外光を利用する
室内の撮影は、ISO感度が上がって画質が悪くなります。
昼間であれば窓に近い場所で撮影すると、シャッタースピードは速くなり低いISO感度で撮影することができます。
白いレースのカーテンを使って室内に拡散させると、柔らかい光になります。
ノーノちゃん
次は便利な撮影方法があるのでご紹介します。
コヤくん
8. 便利な撮影方法
この方法を使えば、今までより子供の写真が撮りやすくなります。
2つ方法がありますので順番にご紹介していきますね。
①タッチシャッター
機種によっては液晶画面をタッチすると、ピント合わせやシャッターを切ることができます。※タッチ操作対応機種のみになります。
ファインダーの小さいフォーカス枠で合わせた方が正確ですが、操作が難しい方には画面をタッチする簡単操作が便利です。
液晶モニターを動かせば、子供目線の低い位置でも見やすくなります。
②サイレント撮影
サイレント撮影を活用すると無音でシャッターを切ることができます。
※サイレントシャッター対応機種のみになります。
寝顔の撮影など音を立てたくない時や、カメラが苦手な子を撮る場合にストレスを与えにくくなるので便利です。
ノーノちゃん
コヤくん
9. フリッカー現象と対策
フリッカー現象とは、蛍光灯下で撮影した際に写真が暗く変色したように写る現象になります。
蛍光灯の近くでシャッターを切ると暗く変色した写真と問題のない写真が交互に写ります。
この現象が起きる理由は、速いシャッタースピードにより蛍光灯のチラつきを捉えてしまうからです。
特に室内で1/125秒や1/250秒で撮影すると、このような暗い写真が何枚も撮れてしまいます。
- インバータタイプの蛍光灯は10000回/秒の高速点滅であるためフリッカー現象は発生しません。
- LED蛍光灯にもフリッカー現象が起きる種類と起きない種類があります。
- 体育館の照明でも発生するため演奏会や舞台の撮影でフリッカーが発生することがあります。
フリッカー対策方法
このフリッカー対策としては2つの方法があります。
フリッカー対策1
カメラの機種によってはフリッカー低減機能がついていて、ONにするとフリッカー現象が軽減されます。
ただそれでも症状が出ることがあるので完全に防ぐことは難しくなっています。
フリッカー対策2
効果的な対策としてはシャッタースピードを遅くする方法があります。
蛍光灯は東日本は50Hz・西日本は60Hzという周波数になっていて、東日本なら1/100秒、西日本なら1/120秒で明滅します。
それを利用し、シャッタースピードを東日本なら1/100秒以下、西日本なら1/120秒以下で撮影することでフリッカー現象を防ぐことができます。
このシャッタースピードでは被写体ブレ(子供の動きによるブレ)が起きやすいので、あまり動きがないタイミングで撮影します。
サイレントシャッターは要注意
サイレントシャッターで撮影した場合、フリッカー現象が通常より出やすくなり、写真には縞模様が発生します。
困ったことにこの縞模様はシャッタースピードを遅くしても発生してしまうため、対策としてはなるべく蛍光灯から離れて窓際で撮影するようにします。
ノーノちゃん
最後に、子供の撮影に適したカメラをご紹介します。
コヤくん
10. 撮影が簡単になるカメラ
初心者でも簡単に子供のピント合わせができるカメラをご紹介します。
ソニー α6400
- 「瞳AF追従」で自動ピント合わせが可能
- 小型で扱いやすい
- 望遠レンズでスポーツ撮影も可
この動画ように、「瞳AF」の追従機能は自動で目にピント合わせ続ける機能になります。
例えば動き回る子供の顔を狙ってカメラを動かす必要はなく、画面に子供が入っていれば自動でピント合わせをしてくれます。
(動画撮影の場合は「タッチトラッキング」機能を使うことで、子供を自動で追いかけてくれます)
11. まとめ
子供の撮影は動く被写体であるためスマホやコンパクトカメラでは撮るのは難しいです。
一眼レフやミラーレスなら「シャッター優先オート」という子供撮りに適したモードが使えるので、初心者の方でもこの設定でチャレンジしてみてください。
- 動く被写体にはシャッター優先オート
- スポーツ撮影はカメラの追従性能が重要
- 室内撮影で単焦点レンズを使うと画質低下・手ブレを防げる
- 子供の目線に合わせるとかわいく撮れる
- カメラが苦手な子にはサイレントシャッター
- 室内はフリッカー対策がポイント
- 瞳AF対応の機種は撮影が簡単
子供撮影ではシャッタースピードとISO感度を知っておくと、撮影が上手くなります。
シャッタースピードとは?目安と使い方をわかりやすく解説
ISO感度とは?目安の数値や設定方法をわかりやすく解説