AFモードを設定する際、AFエリアモードを同時に設定することになります。
AFエリアを正しく設定できると、ピント精度が高くなったり動く被写体でも撮れるようになります。
このページではAFエリアの選び方や、種類についても解説しています。
ノーノちゃん
コヤくん
このページの目次
1. AFエリアとは
AFエリアとは、AF(オートフォーカス)でピントが合うエリアの広さをいいます。
機種によって違いがあり、また一眼レフとミラーレスでも違いがあります。
代表的な機種のAFエリアをご紹介してみます。
このように画面にフォーカスポイント(測距点)が配置されていて、その範囲がAFエリアとなっています。
AFエリアが広いほど、速い動きの被写体でも捉えやすくなるメリットがあります。
一眼レフとミラーレスの違い
一眼レフとミラーレスではAFエリアに違いがあります。
一眼レフの光学ファインダーは画面全体に対してAFエリアが狭く、動体撮影向けの機種以外はフォーカスポイントが配置されていない部分が多くなっています。
一方ミラーレスはAFエリアが広くなっていて、画面のほぼ全体をカバーする機種も登場しています。
ノーノちゃん
コヤくん
2. AFエリアモードとは
AFエリアモードは、AFが動作するエリアを選択する機能になります。
多くの機種は中央1点から最大エリアまでいくつかの種類が用意されています。
ここではキヤノン・ニコン・ソニーから1機種を例に挙げ、それぞれの特徴をご紹介します。
キヤノン「EOS R」
キヤノン「EOS R」の「顔+追尾優先AF」は人物の顔検知や追尾ができるモードになります。
顔の検知がない場合はAFエリア全体でフォーカスを行います。サーボAFでサーボ開始位置を設定し、被写体をタッチすると自動追尾ができます。
領域拡大AFは1点で外れた場合でも周辺のポイントで捉えるモードで、動きが予測できない場合に使用します。
ニコン「D750」
ニコン「D750」のダイナミックAF設定は、初めのフォーカスポイントから外れた場合でも周辺のポイントで捉えるエリアモードになります。
グループエリアAFは1点より少し広い面で被写体を捉えるモードになります。
3Dトラッキングは51点のポイントを使い、左右に動く被写体を追従するモードになります。被写体と背景の色がはっきり違うほど捉えやすくなります。
ソニー「α7RIV」
ソニー「α7RIV」はワイド・ゾーン・中央の3種類と、フォーカス枠の大きさを変更できるフレキシブルスポットがあります。
また拡張フレキシブルスポットは1点で外れた場合でも周辺のポイントで捉えるモードになります。
トラッキングを設定すると、被写体を認識してAFエリア全体から自動追尾させることができます。
同じメーカーでも機種によって違いはありますが、中央1点から最大エリアまで数種類が用意されています。
AF-Cモードの追従の場合、AF精度はエリアが広いほど低下するので、被写体の動きによって適切なエリアを選ぶ必要があります。
ノーノちゃん
コヤくん
3. AFエリアの選び方
実際に撮影する場合、まずAFモードを設定し「AF-S」と「AF-C」を設定することになります。
そして、どちらのモードでもAFエリアを選択して撮影を行ないます。
ここではAFエリアを代表的な3タイプに分け、それぞれの最適なシーンをご紹介しています。
- シングルAF
- ゾーンAF
- ワイドAF
AF-S
「AF-S」は動かない、または動きの遅い被写体の撮影で使用します。
シングルAF
シングルAFは、1点のフォーカスポイントを使用するAFエリアモードになります。
ピントを合わせたい被写体にこの1点で正確に合わせることができ、風景やポートレート撮影など多くの場面で活用されています。
シャッター半押しでピントを合わせたまま構図を変えるフォーカスロック撮影はこのシングルAFでよく使われます。
またフォーカスポイントを動かして、任意の位置に移動させてから撮影する方法もできます。
フォーカスロックについてはこちらで解説しています。
フォーカスロック(AFロック)とは?撮影方法・やり方をご紹介
ゾーンAF
ゾーンAFは、AFエリアをやや広くしたモードになります。
ピントを合わせたい対象がいくつかあったり、少し動きのある被写体にも使用されます。
前後に動く被写体はAF-Cが適していますが、左右の動きであればAF-Sでも可能になります。
ワイドAF
ワイドAFは最も広いAFエリアになります。
カメラが広いエリアからフォーカスポイントを選ぶので、カメラおまかせでピント合わせをすることができます。
ただピント位置はカメラが判断するため、意図しない位置にフォーカスポイントが合ってしまうケースもあります。
AF-C
「AF-C」は動く被写体を撮る場合に使用します。被写体の動きに合わせた選択が重要になります。
シングルAF
AF-CのシングルAFは、1点のフォーカス枠で動く被写体を追従するモードになります。
被写体の動きに合わせてフォーカスポイントを合わせられる場合に使用します。
自由に動く被写体だと捉えるのが難しいですが、遠くから手前に直接的に向かってくる動きであれば1点でも合わせやすくなります。
ゾーンAF
AF-CのゾーンAFは、鉄道・野鳥・飛行機などの被写体を少し広い範囲で捉えるAFエリアになります。
広いゾーン枠の中に被写体を入れるように合わせるので、シングルAFより撮影しやすくなります。
最も広いワイドよりAF精度が良く、狭いシングルAFより捉えやすいのでバランスのよいAFエリアになります。
ワイドAF
AF-CのワイドAFは、最も広いAFエリアで被写体を追いかけるモードになります。
例えば走り回るペットや子供の撮影など、ゾーンエリアでは枠内に捉えるのが難しい場合に使用します。
ただカメラが検知するエリアが広いため、状況によってはピントが背景など別の部分に合ってしまうことがあります。
自動追尾のAFエリア
最新のミラーレスは被写体を自動追尾する機能がついた機種が増えています。(ロックオン、トラッキングとも呼ばれます)
自動追尾は、最も広いワイドAFを使って追尾が行われます。
ノーノちゃん
コヤくん
4. まとめ
AFエリアはAF-SだとシングルAFがよく使われますが、AF-Cの場合はエリア選択が難しくなります。
動体撮影は撮影を重ねると上手くなっていきます。被写体に合わせてエリアを選び、繰り返し試してみてください。
- AFエリアはフォーカスポイントが配置された範囲のこと
- AFエリアが広いと速い動きの被写体でも捉えやすくなる
- 基本的にミラーレスは広く、一眼レフは狭くなる
- AF-Sでは中央1点が便利
- AF-Cでは被写体の動きによってエリアを決める
- AFエリアが広いほどAF精度は低下する
AFモードを復習したい方はこちら
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