このページでは、ソニー製カメラで使える中望遠単焦点レンズをご紹介しています。
焦点距離85mm~135mmで人気のレンズを集め、それぞれの特徴を一覧表で比較できるようにしています。
ノーノちゃん
コヤくん
その他の焦点距離は以下のページでまとめています。
初めて交換レンズを行う方は専門用語を知っておく必要があります。
初心者でもわかる!間違えない【交換レンズの選び方】
1. 中望遠単焦点レンズ一覧
ソニーEマウントで使える中望遠単焦点レンズをマウントごとに分けてご紹介します。
またそれぞれレンズの特徴を、口コミや各情報サイトをもとにまとめています。
マウント目次 | |
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Eマウント(フルサイズ) | Eマウント(APS-C) |
2. Eマウント(フルサイズ)
- α9 II、α7R IV、α7 III、α7S III、α7C
- α6600、α6400、α6100、α6000、α5100
発売時期 | 価格 | Amazon評価 | 最大径×長さ | 質量 | 最短撮影距離 | 最大撮影倍率 | フィルター径 | 手ブレ補正 | 絞り羽根枚数 | 最小絞り | |
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FE 85mm F1.4 GM (SEL85F14GM) |
2016年4月 | 19~22万円 | 89.5×107.5mm | 820g | AF0.85m, MF0.8m |
0.12倍 | 77mm | – | 11枚 | F16 | |
FE 85mm F1.8(SEL85F18) | 2017年3月 | 5.5~6.5万円 | 78x82mm | 371g | 0.8m | 0.13倍 | 67mm | – | 9枚 | F22 | |
Batis 1.8/85 | 2015年8月 | 13~14万円 | 92x92mm | 475g | 0.8m | 0.13倍 | 67mm | ◯ | – | F22 | |
85mm F1.4 DG HSM | 2018年5月 | 11~12万円 | 94.7×152.2mm | 1,245g | 0.85m | 0.12倍 | 86mm | – | 9枚 | F16 | |
85mm F1.4 DG DN | 2020年8月 | 12~13万円 | ー | 82.8×96.1mm | 625g | 0.85m | 0.12倍 | 77mm | – | 11枚 | F16 |
FE 100mm F2.8 STF GM OSS (SEL100F28GM) |
2017年3月 | 15~19万円 | 85.2×118.1mm | 700g | 0.85m, マクロ0.57m |
0.14倍, マクロ0.25倍 |
72mm | ◯ | 11枚 | F20 | |
105mm F1.4 DG HSM | 2018年8月 | 17~19万円 | 115.9×157.5mm | 1,720g | 1.0m | 0.12倍 | 105mm | – | 9枚 | F16 | |
FE 135mm F1.8 GM (SEL135F18GM) |
2019年4月 | 19~23万円 | 89.5x127mm | 950g | 0.7m | 0.25倍 | 82mm | – | 11枚 | F22 | |
135mm F1.8 DG HSM | 2018年 7月 | 12~13万円 | 91.4×140.9mm | 1,230g | 0.875m | 0.2倍 | 82mm | – | 9枚 | F16 |
FE 85mm F1.4 GM(SEL85F14GM)
2016年発売の、「G Master」シリーズの85mm単焦点レンズになります。820gと重量のあるレンズになります。
- 解像力は、開放の中央部は良好で、周辺部はやや甘くなります。F2.8~F4は中央部は非常にシャープになり、周辺部も向上して良好~シャープになります。
- 周辺減光は開放F1.4でやや大きく発生します。F2で軽減されます。
- 色収差は開放F1.4からF2.8で発生します。玉ボケは輪郭に少しフリンジが確認できます。
- 前ボケはやや固く、後ボケはとてもなめらかです。
- AFは十分ですが高速ではありません。また精度はボディによって変わります。
開放F1.4では柔らかく、絞ると非常に高い解像力と評価されています。F1.4の大きなボケ量と後ボケもなめらかさもこのレンズのメリットです。
ただ現在は3分の1の価格で購入できるFE 85mm F1.8も登場していて、優位性が弱くなっています。
※画質評価はopticallimits.comのレビューを参考にしています。
- フォトヨドバシのレビュー
質量: 820g
最短撮影距離: AF0.85m, MF0.8m
最大撮影倍率: 0.12倍
フィルター径: 77mm
手ブレ補正: –
絞り羽根枚数: 11枚
最小絞り: F16
FE 85mm F1.8(SEL85F18)
2017年に発売された、85mm単焦点レンズになります。ソニーレンズとしてはグレードの低い「無印」レンズになります。
- 解像力は、開放から中央部はとてもシャープで、周辺・四隅も良好レベルです。F2.8~F5.6は四隅が少し向上しますが、全体的に大きな変化はありません。
- 周辺減光は開放F1.8でやや大きめに発生します。
- 色収差は開放F1.8からF4で発生します。
- 前ボケはわずかに固く、後ボケはとてもなめらかです。
- AFは無音で高速に動作します。
エントリークラスのレンズですが、解像力とボケが高く評価されています。ツァイスBatis 1.8/85と比較しても解像力は互角とのことです。
371gという軽さや6万円前後で購入できる価格もメリットで、最初の中望遠レンズとして人気があります。
※画質評価はopticallimits.comのレビューを参考にしています。
質量: 371g
最短撮影距離: 0.8m
最大撮影倍率: 0.13倍
フィルター径: 67mm
手ブレ補正: –
絞り羽根枚数: 9枚
最小絞り: F22
Batis 1.8/85
2015年発売の、カールツァイス製Eマウント対応85mm単焦点レンズになります。
85mmレンズとしては珍しい手ブレ補正搭載と、有機ELディスプレイを備えているのが特徴です。
- 解像力は、開放から中央部はとてもシャープで、周辺・四隅も良好レベルです。この解像度がF8までほぼキープされています。
- 周辺減光は開放F1.8でやや大きく発生します。
- 色収差は開放付近で発生します。
- 後ボケは少し騒がしい印象で、前ボケはなめらかです。玉ボケはF2.8から多角形が始まります。
- 歪曲収差はRAW画像では2%と、中望遠レンズとしては大きく発生します。
- AFは適度に速い動作になります。
開放からシャープな解像力で、絞っても変化が少なく解像度が均一な特徴があります。
後ボケはもう一歩の評価ですが、作例を見ると十分柔らかい印象で問題ないように見えます。
ツァイスブランドのため、価格はハイグレードとなっています。
※画質評価はopticallimits.comのレビューを参考にしています。
質量: 475g
最短撮影距離: 0.8m
最大撮影倍率: 0.13倍
フィルター径: 67mm
手ブレ補正: ◯
絞り羽根枚数: –
最小絞り: F22
85mm F1.4 DG HSM
2018年発売の、シグマ製Eマウント対応85mm単焦点レンズになります。
“究極のポートレートレンズ”として設計され、長さ94.7×152.2mm、重量1,245gという大型レンズになっています。
- 解像力は、開放は中央から四隅まで良好レベルで、F2~F8で全体が向上して中央部はシャープになります。
- 周辺減光は開放F1.4としては比較的少なくなります。
- 色収差は開放F1.4で目立ちます。
- 前ボケはやや固いですが、後ボケはとてもなめらかです。玉ボケの輪郭も綺麗です。
重量があるため使うユーザーを選びますが、解像力が高くボケの評価も良いレンズとなっています。
比較対象はソニー純正FE 85mm F1.4 GMになりますが、このシグマ85mm F1.4は価格面で入手しやすくなっています。
※画質評価はopticallimits.comのキヤノン用レビューを参考にしています。
質量: 1,245g
最短撮影距離: 0.85m
最大撮影倍率: 0.12倍
フィルター径: 86mm
手ブレ補正: –
絞り羽根枚数: 9枚
最小絞り: F16
85mm F1.4 DG DN
2020年8月発売の、ミラーレス専用設計としたシグマの85mm F1.4単焦点レンズになります。
旧型85mm F1.4 DG HSMの約1.2kgに比べ、この85mm F1.4 DG DNは大幅にコンパクト化され重量も625gと1/2程度になっています。
- 解像力は、開放F1.4の中央はわずかに落ちますが十分シャープ、四隅は少し柔らかくなります。中央はF2でさらにシャープになり、四隅はF4からシャープになります。
- 周辺減光は開放F1.4で大きく発生し、F4で目立たなくなります。
- 色収差は中央・四隅ともに非常に抑えられています。
- 糸巻き型の歪みがありますが補正可能です。
- AFは旧型より速くなっています。
- ボケはなめらかで柔らかいです。
大幅な小型化で画質面が注目されていますが、周辺減光を除きデメリットはあまりないように思います。
特に色収差は高いレベルで抑えられていて、新しい85mm単焦点として魅力的なレンズになっています。
※画質評価はephotozine.com、photographyblog.comのレビューを参考にしています。
質量: 625g
最短撮影距離: 0.85m
最大撮影倍率: 0.12倍
フィルター径: 77mm
手ブレ補正: –
絞り羽根枚数: 11枚
最小絞り: F16
FE 100mm F2.8 STF GM OSS(SEL100F28GM)
2017年発売の、手ブレ補正を搭載した100mm単焦点レンズになります。
Eマウント初のSTF(Smooth Trans Focus)レンズで、特殊効果のアポダイゼーションフィルター(APD)により周辺部を柔らかくぼけさせる効果があります。
またマクロ域切り換え機能を使うと、最大撮影倍率0.25倍の撮影が可能になります。
- 解像力は、開放F2.8(T5.6)では中央部はシャープで四隅はやや甘くなります。F8(T11)からは回折現象で低下し始めます。
- 周辺減光はこのレンズではほとんど発生しません。
- 開放での色収差はかなり少なくなっています。
- ボケは非常になめらかで、アポダイゼーション効果が出ています。玉ボケも輪郭が柔らかくなります。
- AFは精度が優れていますが、速度は標準的です。
※絞りリングにはFナンバーではなくTナンバーで表記されています。
このレンズ独特のボケ味が魅力のレンズですが、開放から中央部はシャープで周辺減光もなく、光学性能も高くなっています。
ただアポダイゼーションによりレンズを通る光量が少なくなるため、シャッタースピードが遅くなる特徴があります。室内撮影ではISO感度を通常より上げる必要があります。
※画質評価はopticallimits.comのレビューを参考にしています。
質量: 700g
最短撮影距離: 0.85m, マクロ0.57m
最大撮影倍率: 0.14倍, マクロ0.25倍
フィルター径: 72mm
手ブレ補正: ◯
絞り羽根枚数: 11枚
最小絞り: F20
105mm F1.4 DG HSM
2018年に発売された、シグマ製Eマウント対応の105mm単焦点レンズになります。
ボケ味にこだわった「BOKEH-MASTER」の称号がついていて、115.9×157.5mm、重量1,720gの巨大なレンズとなっています。
- 解像力は、開放では中央部はすでにシャープで、四隅は良好レベルになります。F2.8は中央の解像力が向上し、四隅もシャープになります。
- 周辺減光はF1.4としては中程度の発生になります。
- 開放の色収差は少し発生します。
- ボケはとてもなめらかです。
- AFは口コミでは十分な速度とされています。
光学性能を重視した、12群17枚の贅沢なレンズ構成となっています。シグマとしてもフラッグシップに位置づけられるレンズです。
この重さから扱いには難易度が上がりますが、高い解像力と大きなボケ味が魅力のレンズとなっています。
※画質評価はpcmag.com、lenstip.comのレビューを参考にしています。
- デジカメWatchのレビュー
質量: 1,720g
最短撮影距離: 1.0m
最大撮影倍率: 0.12倍
フィルター径: 105mm
手ブレ補正: –
絞り羽根枚数: 9枚
最小絞り: F16
FE 135mm F1.8 GM(SEL135F18GM)
2019年発売の、G Masterグレードの135mm単焦点レンズになります。
焦点距離が長いため、重量は950gと重いレンズになります。
- 解像力は、開放F1.8からすでにシャープで、F2.8~F5.6は画面全域でさらに解像力が上がります。
- 周辺減光は開放で1EVとかなり少ない発生量です。
- 色収差は開放F1.8で確認できますが、全体的によく抑えられています。
- ボケはなめらかな印象です。背景により騒がしいとのレビューもあります。
- AFは静かで高速に動作します。
高い解像力とボケ味、周辺減光など各項目で優れた評価となっていて、Eマウント中望遠の人気レンズとなっています。
また最大撮影倍率0.25倍と寄れる点もメリットです。
※画質評価はephotozine.com、kenrockwell.comのレビューを参考にしています。
質量: 950g
最短撮影距離: 0.7m
最大撮影倍率: 0.25倍
フィルター径: 82mm
手ブレ補正: –
絞り羽根枚数: 11枚
最小絞り: F22
135mm F1.8 DG HSM
2018年に発売された、シグマ製Eマウント対応の135mmレンズになります。長さ91.4×140.9mm、重量1,230gの大型レンズになります。
- 解像力は、開放から中央部はシャープで、周辺・四隅も良好レベルです。F4では周辺・四隅がわずかに向上し、画面全体で均一なシャープさになります。
- 周辺減光は1.4EVと中程度の発生になります。
- 色収差は開放で少し発生しますが、全体的によく抑えられています。
- ボケはなめらかな印象です。
- AFは十分に速く動作します。
開放からシャープな解像力とボケ味が評価されています。
比較対象にはG MasterレンズのFE 135mm F1.8 GMがありますが、価格面ではこのシグマ135mm F1.8が入手しやすくなっています。
※画質評価はadmiringlight.com、opticallimits.comのレビューを参考にしています。
- フォトヨドバシのレビュー
質量: 1,230g
最短撮影距離: 0.875m
最大撮影倍率: 0.2倍
フィルター径: 82mm
手ブレ補正: –
絞り羽根枚数: 9枚
最小絞り: F16
3. Eマウント(APS-C)
- α6600、α6500、α6400、α6300、α6100、α6000、α5100
- Eマウント(フルサイズ用)レンズも装着できます。
発売時期 | 価格 | Amazon評価 | 最大径×長さ | 質量 | 最短撮影距離 | 最大撮影倍率 | フィルター径 | 手ブレ補正 | 絞り羽根枚数 | 最小絞り | |
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E 50mm F1.8 OSS(SEL50F18) | 2012年3月 | 2.5~3万円 | 62x62mm | 202g | 0.39m | 0.16倍 | 49mm | ◯ | 7枚 | F22 | |
56mm F1.4 DC DN | 2018年11月 | 4~5万円 | 66.5×59.5mm | 280g | 0.5m | 0.14倍 | 55mm | – | 9枚 | F16 |
E 50mm F1.8 OSS(SEL50F18)
2012年発売の、35mm換算で約75mm相当となる50mm単焦点レンズになります。
202gという軽さで手ブレ補正搭載となっています。
- 解像力は、開放では中央部はシャープで、周辺・四隅はかなり甘くなります。F4で周辺・四隅は大きく向上して良好レベルになります。
- 周辺減光は開放F1.8でかなり大きく発生し、F4で解消されます。
- 色収差は大きく発生する傾向があります。
- 前ボケ・後ボケともにとてもなめらかな印象です。ただ玉ボケなどは輪郭に色収差が確認できます。
- AFは静かで高速に動作します。
開放の周辺部は甘い描写ですが、そのためボケ味は柔らかく高い評価となっています。
周辺減光や色収差などはデメリットとなっています。ただ作例を見る限り影響が小さい場面も多く、3万円以下の価格帯と考えれば十分に思えます。
※画質評価はopticallimits.comのレビューを参考にしています。
- フォトヨドバシのレビュー
質量: 202g
最短撮影距離: 0.39m
最大撮影倍率: 0.16倍
フィルター径: 49mm
手ブレ補正: ◯
絞り羽根枚数: 7枚
最小絞り: F22
56mm F1.4 DC DN
2018年発売の、シグマ製Eマウント対応56mm単焦点レンズになります。35mm換算で約84mm相当になります。
- 解像力は、開放から中央・四隅ともにシャープで、F2~F5.6は中央部がさらに解像度が向上し、四隅はF2.8から向上して非常にシャープになります。
- 周辺減光は開放F1.4で大きく発生します。
- 歪曲収差は糸巻き型が大きく発生します。
- 色収差はよく抑えられていて、開放F1.4でもほとんど目立ちません。
- ボケはとてもなめらかな印象です。
- AFは静かで高速に動作します。
シグマの高解像度レンズで、ボケも柔らかくコストパフォーマンスの良いレンズとなっています。
ソニー純正のE 50mm F1.8 OSSも良いレンズですが、開放からシャープに写したい場合はこのシグマ56mm F1.4が適しています。
※画質評価はphotographyblog.com、lenstip.comのレビューを参考にしています。
- フォトヨドバシのレビュー
質量: 280g
最短撮影距離: 0.5m
最大撮影倍率: 0.14倍
フィルター径: 55mm
手ブレ補正: –
絞り羽根枚数: 9枚
最小絞り: F16
4. まとめ
ソニーEマウントの中望遠単焦点レンズはソニー純正に加え、カールツァイスやシグマなどサードパーティ製も充実しています。
評価の高いレンズが多数揃っているので、画質面も満足できる1本が見つかるでしょう。
初めて交換レンズを行う方は専門用語を知っておく必要があります。
初心者でもわかる!間違えない【交換レンズの選び方】