オリンパスの「OM-D E-M5 Mark III」が2019年11月22日に発売されることになりました。
このページでは「OM-D E-M5 Mark III」の特徴や、前モデル「OM-D E-M5 Mark II」から変わった点などをまとめています。
ノーノちゃん
コヤくん
このページの目次
1. 発売日と価格
発売日はこのようになっています。OM-D E-M5 Mark IIIは前モデルから4年以上経過しています。
- OM-D E-M5 Mark III:2019年11月22日
- OM-D E-M5 Mark II:2015年02月20日
2. E-M5 Mark III外観
カラーバリエーションは旧モデルと同じくシルバー・ブラックの2色になっています。
以下は、前モデルE-M5 Mark IIとの比較です。
ダイヤル・操作ボタンは変更されていて、上位機のOM-D E-M1 Mark IIと似た配置になりました。
背面は親指AFができる位置にAELボタン、左肩にドライブモードボタンが配置されました。より連写や動体撮影に適したカメラになりそうです。
またISOボタンが右上に、露出補正ボタンが上面に配置されたことも新しい変更です。
初期設定ではフロントダイヤルに露出補正が割り当てられていますが、Mモード+ISOオート時の露出補正操作に役立ちます。
オリンパス独自のハイライト&シャドウコントロールのマークが記されたボタンはなくなり、「Fn1」などのファンクション表記も消えています。
ノーノちゃん
コヤくん
3. E-M5 Mark IIIの進化ポイント
現状でわかっている、E-M5 Mark III(E-M5 mk3)の進化ポイントを整理しておきます。
画素数
- OM-D E-M5 Mark III:2037万画素
- OM-D E-M5 Mark II:1605万画素
OM-D E-M5 Mark IIIは上位モデルである「OM-D E-M1 Mark II」と同じ、2000万画素センサーを採用しています。
画像処理エンジンはTruePic VIIIとなっています。
ただ2016年12月発売の「OM-D E-M1 Mark II」とセンサー・画像処理エンジンが同じものとなっていて、新たに開発されたものではないようです。
AFセンサー
- OM-D E-M5 Mark III:121点クロスタイプの位相差AF
/121点コントラストAF - OM-D E-M5 Mark II:81エリアのコントラストAF
「OM-D E-M5 Mark III」は121点クロスタイプの位相差AFと121点コントラストAFを併用したAFになりました。
位相差AFが使えることで、動体撮影にも適したカメラへと進化しました。
これで中級機でも位相差AFを搭載したことになります。
AFターゲットモード
画像出典:オリンパス公式サイト
AFエリアは6種類用意されています。
C-AFで動く被写体を撮影する場合に、被写体によって追従するAFエリアの広さを選択することができるようになりました。
高速シャッター
最高1/8000秒のメカシャッターはOM-D E-M5 Mark IIIでも引き続き使用できます。
電子シャッターにおいては最高1/32000秒まで強化され、この点も上位機と同等のスペックになっています。
顔/瞳優先AF
前モデルにも採用されていた顔/瞳優先AFも使用できます。
位相差AFが動作するため、瞳AFは追従性能も向上しているかもしれません。
手ブレ補正
画像出典:オリンパス公式サイト
- OM-D E-M5 Mark III:5.5段分
- OM-D E-M5 Mark II:5段分
こちらも「OM-D E-M5 Mark III」はOM-D E-M1 Mark IIと同じ、5.5段分の手ブレ補正ユニットが搭載されています。
E-M1 Mark IIはシャッタースピード1秒程度の手持ち撮影もできるカメラなので、同じ性能だと思われます。
さらに「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」を装着するとシンクロ手ぶれ補正が働き、6.5段分の補正効果が得られるということです。
プロキャプチャーモード
プロキャプチャーモードはシャッター半押し時に、カメラがバッファメモリに仮記録をしてくれる機能になります。
シャッター全押しをすると最大14コマをさかのぼって保存してくれるので、例えば鳥が飛び立つような反応が遅れる場面でも、決定的瞬間から記録してくれます。
こちらも「OM-D E-M1 Mark II」で採用されている機能になります。
ファインダー
- OM-D E-M5 Mark III:
アイレベル式OLEDビューファインダー
約236万ドット
約1.20倍~約1.37倍 - OM-D E-M5 Mark II:
アイレベル式液晶ビューファインダー
約236万ドット
約1.30倍~約1.48倍
OM-D E-M5 Mark IIIのファインダーは有機ELタイプに変更されています。
解像度は同じ236万ドットで、倍率はOM-D E-M5 Mark IIIが少し小さくなっているようです。
有機ELタイプは他社ミラーレスでは高コントラストで色も鮮やかなため、背面液晶モニターと色合いが違ったりするケースがあります。
OM-D E-M5 Mark IIIの場合はどのような見え方になるのか気になるところです。
ハイレゾショット
- OM-D E-M5 Mark III:ハイレゾショット(5000万画素相当)
- OM-D E-M5 Mark II:ハイレゾショット(4000万画素相当)
ハイレゾショットは、イメージセンサーを動かしながら連続8枚撮影をして合成する機能になります。
「OM-D E-M5 Mark III」のハイレゾショットは噂されていた手持ち仕様ではなかったようですが、5000万画素相当の高画素撮影ができるようになっています。
4K動画
E-M5 Mark IIIは4K動画も対応しています。
同じ手ブレ補正5.5段のOM-D E-M1 Mark IIは他社機と比較しても優秀で、歩行中でもなめらかな映像を撮ることができます。
このOM-D E-M5 Mark IIIでも手ブレ補正が発揮されると思われます。
動画用ピクチャーモード「Flat」
動画撮影時は白とびや黒つぶれを抑え、コントラストを下げたピクチャーモード「Flat」を使用できます。
フラットな階調であるため、撮影後のカラーグレーディングが行いやすくなります。
※前モデルのE-M5 Mark IIはファームウェアver.2.0で対応
※Log撮影は非対応
グリップ
OM-D E-M5シリーズのグリップは指を引っかかる突起があるタイプになります。
OM-D E-M5 Mark IIIはこのグリップを少し高くしていて、持ちやすさを改善してあります。
ただE-M5 Mark IIIは外付けの縦位置バッテリーグリップが非対応になっています。
モードダイヤルのカスタム設定
撮影モードダイヤルに、上位機のようなカスタム設定が1つ追加されました。
上位機のOM-D E-M1 Mark IIはカスタム設定が3つあり、それとは差別化されていますがこだわり設定がすぐに使える仕様になっています。
USB充電対応
画像出典:オリンパス公式サイト
E-M5 Mark IIIはUSB経由での本体充電に対応しました。
屋外でバッテリーが切れても、USB経由で充電することができるので便利です。(給電は不可)
アイポイント27mm
画像出典:オリンパス公式サイト
多くの機種はアイポイント20mm前後のため、眼鏡ではファインダー内全てを一度に見るのは難しいケースがあります。
しかしOM-D E-M5 Mark IIIはファインダーのアイポイントが約27mmと距離があるため、眼鏡をかけた状態でもファインダー内がケラレずに見やすい仕様となっています。
ボディ重量
- OM-D E-M5 Mark III:414g(充電池・メモリーカード含む)
- OM-D E-M5 Mark II:469g(充電池・メモリーカード含む)
「OM-D E-M5 Mark III」はAF性能を強化し、防塵防滴を維持しながら、ボディ重量が414gと約50gの軽量化が行われています。
多機能なミラーレスは近年重量が増している傾向にありますが、この高性能+軽量化は画期的だと思います。
ノーノちゃん
コヤくん
4. その他基本性能
防塵防滴
前モデルに引き続き、防塵・防滴・-10℃耐低温性能という過酷な環境でも撮影できる仕様になっています。
アートフィルター
ポップアート、トイフォト、ネオノスタルジーなど写真の雰囲気を変える加工になります。
イメージに合ったアートフィルターを使うことで、クリエイティブな写真を残すことができます。
ダストリダクションシステム
30,000回/秒以上の超高速振動により、イメージセンサーのゴミを強力に除去してくれます。
オリンパスのゴミ除去システムは他社と比べても強力で、ミラーレスの弱点を上手くカバーしていると思います。
ライブコンポジット
オリンパスの独自機能である、ライブコンポジット/ライブバルブ/ライブタイムも搭載されています。
液晶モニターで動きを確認しながら比較明合成写真を作成できるライブコンポジットやライブバルブが利用できます。
カスタムモード
E-M5 Mark IIでカメラの設定値を保存できる「マイセット」は、E-M5 Mark IIIでは「カスタム登録」に変更されています。
設定値は3種類登録することができ、1つは「モードダイヤルC」、2つ目と3つ目は「カスタム呼出」から呼び出すことができます。
ノーノちゃん
次は、旧機種との選び方をご紹介します。
コヤくん
5. 上手な選び方のポイント
新機種のE-M5 Mark IIIは魅力的ですが、旧モデルのE-M5 Mark IIとの選び方をまとめてみました。
OM-D E-M5 Mark III
OM-D E-M5 Mark IIIは位相差AF、強力な手ブレ補正、軽量化など上位モデルに相当するようなハイスペックモデルになりました。
ご紹介したように価格設定は高めになりますが、小型軽量で動体撮影を考えている方には適しています。
- ボディ
- 高倍率ズームレンズキット
付属レンズは「ED 14-150mm F4.0-5.6 II」 - 12-45mm F4.0 PRO キット
付属レンズは「12-45mm F4.0 PRO」
OM-D E-M5 Mark II
OM-D E-M5 Mark IIは4年前のモデルですが、十分強力な手ブレ補正と高速AF、防塵防滴を備えた、基本性能が高い機種となっています。
すでに価格が下落していることから、これからオリンパスのOM-D E-M5シリーズを検討している方、また初めて一眼カメラを使いたい方にもおすすめできます。
- ボディ
- 12-50mm EZ レンズキット
付属レンズは「ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ」 - 14-150mm II レンズキット
付属レンズは「ED 14-150mm F4.0-5.6 II」 - 12-40mm F2.8 レンズキット
付属レンズは「ED 12-40mm F2.8 PRO」
6. 性能比較表
OM-D E-M5 Mark IIIと、旧モデルOM-D E-M5 Mark IIの仕様一覧表になります。
機種名 | OM-D E-M5 Mark III | OM-D E-M5 Mark II |
---|---|---|
発売時期 | 2019年11月22日 | 2015年02月20日 |
マウント | マイクロフォーサーズ マウント |
|
イメージセンサー | 4/3型Live MOS センサー | |
画像処理エンジン | TruePic VIII | TruePic VII |
画素数 | 2037万画素 | 1605万画素 |
ボディ側手ブレ補正 | 5.5段分 | 5.0段分 |
ダスト除去 | 超音波防塵フィルター | |
ISO感度 | オート: LOW(約64相当)~6400 マニュアル: ~25600 |
オート: LOW(約100相当)~1600 マニュアル: ~25600 |
ISO AUTO低速限界 | ◯ | – |
測光方式 | 324分割デジタルESP測光 | |
測光範囲 | EV-2 – 20 | |
AF方式 | ハイスピードイメージャAF ※位相差AF・コントラストAF併用 |
ハイスピードイメージャAF |
測距点 | 121点(クロスタイプ位相差AF) 121点(コントラストAF) |
81点 |
測距輝度範囲 | 記載なし | |
シャッタースピード | 1/8000-30秒、バルブ 静音:1/32000-60秒 |
1/8000-30秒、バルブ 静音:1/16000-60秒 |
電子シャッター | ◯ | |
電子先幕シャッター | ◯ | |
瞳AF | ◯ | |
連写 | 連写H:約10コマ/秒 ※5~10コマ/秒に設定可 連写L:約6コマ/秒 ※1~6コマ/秒に設定可 |
連写H:最高約10コマ/秒 ※ピント固定 連写L:最高5.0コマ/秒 |
静音連写 | 連写H:約30コマ/秒 ※15、20、30コマ/秒に設定可 連写L:約10コマ/秒 ※1~10コマ/秒に設定可 |
– |
連続撮影枚数 ※10コマ/秒時 |
JPEGカード容量一杯 RAW150枚 |
JPEG19枚 RAW16枚 |
静音撮影 連続撮影枚数 |
30fps時: JPEG26枚 RAW23枚 10fps時: JPEGカード容量一杯 RAW152枚 |
– |
ピーキング | ◯ | |
液晶モニター | バリアングル液晶 3.0型/約104万ドット |
|
タッチシャッター | ◯ | |
HDR撮影 | ◯ | |
防塵防滴 | ◯ | |
フラッシュ同調速度 | 1/250秒以下 | |
水準器 | ◯ | |
フリッカー低減 | ◯ | – |
内蔵フラッシュ | – (外付けフラッシュFL-LM3が付属) |
|
リモートケーブル(別売) | RM-CB2 | RM-UC1 |
Wi-Fi | ◯ | |
bluetooth | ◯ | – |
SDカードスロット | シングルスロット SDXC UHS-II |
|
USB端子 /リモコン端子類 |
USB microB /Ø2.5ミニジャック ※別売リモートケーブル RM-CB2使用可能 |
専用マルチ端子 |
USB充電 / 給電 | ◯ / – | – / – |
ヘッドホン端子 | – | |
その他インターフェイス | マイク HDMIミニ(タイプD) |
|
外形寸法(mm) | 125.3(幅) 85.2(高さ) 49.7(奥行) |
123.7(幅) 85(高さ) 44.5(奥行) |
重さ(バッテリー、 メモリーカード含む) |
約414g | 約469g |
撮影可能枚数 | 約310枚 (低消費電力時660枚) |
約310枚 (低消費電力時750枚) |
バッテリーパック | BLS-50 | BLN-1 |
バッテリーグリップ | – | パワーバッテリーホルダー HLD-8 |
機種名 | OM-D E-M5 Mark III | OM-D E-M5 Mark II |
---|---|---|
記録方式 | MOV(MPEG-4AVC / H.264) | MOV(MPEG-4AVC/H.264)、AVI(Motion JPEG) |
内蔵マイク | ステレオ | |
音声記録方式 | ステレオリニアPCM ※高音質PCM/24bit可 |
ステレオリニアPCM |
動画記録 | 4K30p | MOV:フルHD60p AVI:HD30p |
タイムラプス動画 | ◯ | |
動画手ブレ補正 | ◯ | |
動画撮影可能時間 ※29分制限を繰り返して 連続撮影 |
約60分 | 約80分 |
7. まとめ
OM-D E-M5 Mark IIIは操作性やAF性能など、上位機のOM-D E-M1 Mark IIに近づいたカメラへ進化しました。
価格帯は上がり、中級機というより中~上位機という位置付けになっています。
高性能ですがボディは入門機のように軽く、レンズ群もコンパクトなのでAPS-Cにはない特徴がオリンパスの強みとなっています。
その他オリンパスの機種紹介はこちら
オリンパスOM-D E-M1 Mark IIIとOM-D E-M1 Mark IIを徹底比較