一眼レフのファインダー仕様には「視野率」という用語があります。
この視野率は100%の機種もありますが、98%や95%などの機種もあります。
100%以下だとどのような見え方をするのか、どんなデメリットがあるのかをイラストを用いて解説しています。
ノーノちゃん
コヤくん
このページの目次
1. 視野率とは
視野率とは、ファインダーで見える範囲と写る写真の範囲の比率になります。
視野率が100%の場合、ファインダーで見える範囲がそのまま写真になります。
視野率98%の場合は、わずかにファインダー像が小さくなります。記録される写真はわずかに見えなかった周囲が写ることになります。
入門機では、視野率95%などさらに小さくなります。そのため見えなかった周囲が写ることになります。
ノーノちゃん
コヤくん
95%の影響
実際の写真での視野率95%のイメージはこのようになります。
ファインダーで見えていなかった、四隅の景色が写真では構図に入っています。
100%と95%はわずかな差ですが、場面によっては入れたくない物が写真に入ってしまうことになります。
もし構図に入った部分を消したい場合は、画像編集ソフトで周囲部分をトリミング(切り取り)処理をする必要があります。
ノーノちゃん
コヤくん
ファインダー像の大きさは「倍率」で表されています。
2. 一眼レフの視野率
一眼レフは光学ファインダーのタイプによって視野率が異なります。
光学ファインダーにはガラス素材のペンタプリズムを使ったものと、鏡で反射させるペンタミラーを使ったタイプに分かれます。
中級機以上はペンタプリズムが採用され、ほとんどの機種で視野率は100%となっています。ただペンタプリズムは精度が高く重量も重くなります。
一方入門機は軽量のペンタミラーが採用されています。ただファインダー像は小さく、視野率も95%などになっています。
機種ごとに視野率は仕様表に記載されていて、例えばニコンの入門機D5600はこのようになります。
画像出典:ニコン公式サイト
D5600の視野率は「約95%」となっていて、「ペンタミラー」という記載があります。
一方上位機のニコンD850はこのように記載されています。
画像出典:ニコン公式サイト
上位機はペンタプリズムが採用され、視野率は約100%となっています。
主な一眼レフの視野率
視野率ごとに、代表的な一眼レフ機の視野率をまとめておきます。
- ニコン D850
- ニコン D7500
- キヤノン EOS 5D Mark IV
- キヤノン EOS 90D
- ペンタックス KP
- キヤノン EOS 6D Mark II
- キヤノン EOS 70D
- キヤノン EOS 5D Mark II
- ニコン D5600
- ニコン D3500
- キヤノン EOS Kiss X10
- キヤノン EOS 9000D
基本的に中上位機は約100%ですが、キヤノンのフルサイズ機EOS 6D MarkⅡはペンタプリズムでありながら約98%となっていて話題になりました。
高価なフルサイズ機ですが位置づけは上位機ではないことから、上位機との差別化やコスト削減が理由などと言われています。
ライブビューは100%
背面液晶のライブビュー画面の視野率は、100%になります。
これはイメージセンサーが受け取った映像を映しているため、どの機種でも100%になっています。
ノーノちゃん
コヤくん
3. ミラーレスの視野率
ミラーレスのファインダー視野率は100%となっています。
ミラーレスには一眼レフのようなペンタプリズムはなく、このような構造となっています。
レンズから入った光を撮像素子(イメージセンサー)が受け取り、処理した映像を電子ビューファインダーや液晶モニターに映しています。
このミラーレスの仕組みからファインダー視野率は100%となり、例えばニコンのミラーレス機Z7の仕様表はこのようになっています。
画像出典:ニコン公式サイト
近年はミラーレス機が多数登場し、今後は視野率100%の機種が増えていくと予想されます。
ノーノちゃん
コヤくん
4. まとめ
一眼レフの入門機では視野率が低いので、ファインダーは写真の範囲と少し異なることを意識して撮影することになります。
編集アプリでトリミングができますし大きな問題ではないと思いますが、次は視野率100%の機種へステップアップするのがよいと思います。
- 視野率はファインダーで見える範囲と写真の範囲の比率
- 入門機は100%未満が多い
- 100%未満だとファインダーで見えない部分が写真に写る
- ミラーレスは視野率100%なので問題なし
ファインダーの広さは「倍率」で決まります。
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