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キヤノンEOS R5とEOS R6を徹底比較!【価格・スペック】

EOS R5 R6

キヤノンから注目のフルサイズミラーレス、EOS R5とEOS R6が発売されました。

このページでは公開された2機種の仕様をもとに、それぞれの違いや特徴を整理しています。

ノーノちゃん

8K動画が注目されたキヤノンの新機種だね!
動画性能が話題になりましたが、AFなどスチル性能が素晴らしいカメラとなっています。

コヤくん

1. 外形寸法

EOS-R5-R6外装サイズ

幅はR5が0.1mm長く、奥行きはR6が0.4mm長い程度なので寸法はほぼ同じとなっています。重量はR5が58g重くなります。

2. 発売日と価格

2機種の発売予定と相場はこのようになっています。

  • EOS R5:2020年7月30日
  • EOS R6:2020年8月27日
キヤノン
キヤノン

3. 外観の違い

まず外装の素材はそれぞれ異なっています。R5の方は外装がマグネシウム合金、R6はポリカーボネート樹脂となっています。

  • EOS R5:フルマグネシウム合金
  • EOS R6:(外側)ポリカーボネート樹脂、(内部)マグネシウム合金

EOS R5

EOS R5

EOS R5

EOS R5

参照元:Photorumor

EOS R6

EOS R6

EOS R6

EOS R6

参照元:Canon Rumors

ボタン配置比較

EOS R5は<MODE>ボタンとドットマトリクス表示パネルを採用し、EOS R6は上面液晶パネルはなくモードダイヤルがついています。

撮影モードの切り替えはそれぞれ操作性が異なっていて、特に動画モードへの切り替えはEOS R5はEOS Rと同じく<MODE>ボタンを押してinfoボタンを押す手順になります。

EOS R5 R6 違い

背面は同じボタン配置となっています。

ボタン配置は斬新だったEOS Rに比べてEOS 5D系と似ているので、一眼レフユーザーには使いやすそうな印象です。

EOS R5 AFボタン

EOS Rや5D系に比べてAF-ONボタンがやや左に移動しています。他社の一般的なAF-ONボタンの位置なので、押しやすいのではないでしょうか。

前後の2ダイヤルに加えて背面のサブ電子ダイヤルも使える仕様になりました。レンズのコントロールリングも活用すれば4ダイヤルで操作できることになります。

EOS R5背面ボタン

EOS Rと比べてジョグダイヤル型のマルチコントローラー・拡大ボタン・RATEボタンが装備されています。Qボタンも独立しています。

サブ電子ダイヤルは十字キーのような機能割り当てはできないので、EOS Rや他社からの乗り換えユーザーは慣れが必要になりそうです。

カスタマイズはマルチファンクションボタンやAEロックボタン、AFフレーム選択ボタンなどを活用できます。

RATEボタンは画像プロテクト・画像消去のカスタマイズのみ(R5は音声メモ専用も可)となっています。画像の振り分けに便利ですが、使わないユーザーもいるのでカスタマイズできるとよかったと思います。

EOS R5の実機を触りましたが、グリップは深さがあってとても握りやすく、不満は感じませんでした。

補足
マルチコントローラーは初期設定では機能割り当てがない状態なので、AFフレームダイレクト選択を割り当てると便利です。

4. 進化ポイント

EOS R5とR6の性能比較や特徴をまとめてみました。

R6は下位モデルという位置づけではなく、両機ともにハイスペックなカメラとなっています。

映像エンジン

  • EOS R5:DIGIC X
  • EOS R6:DIGIC X

EOS R5 映像エンジン

映像エンジンはEOS-1D X Mark IIIと同じ最新のDIGIC Xを搭載し、高速処理が可能となっています。

それにより連写は最高約20コマ/秒、常用ISO感度は最高51200(R6は102400)、またデュアルピクセルCMOS AF IIや8K/4K動画にも大きく影響しています。

DIGIC XのおかげでAFや操作全体の反応がとても速く、EOS Rに比べて快適な操作性となっていました。

結論:最新の映像エンジンで性能大幅アップ

画素数

  • EOS R5:4500万画素
  • EOS R6:2010万画素

R5は「EOS最高解像性能」をアピールした高解像度で、4500万画素による8K動画対応、8.2Kオーバーサンプリング処理による4K動画の高画質化がメリットになっています。

また高画素ならではのトリミング耐性の強さもあるので、レタッチの自由度が高くなります。

R6は約2000万画素とフルサイズとしては抑えた画素数ですが、EOS-1D X Mark IIIのCMOSセンサーをカスタマイズしたセンサーとなっています。

結論:画素数は異なるがどちらもメリットあり

シャッター音

シャッター音はEOS R・RPと比べて大きな違いがあります。

こちらはEOS R5のシャッター音を収録した動画になります。

次にEOS R6のシャッター音になります。(こちらは動画音量が小さくなっています)

シャッター音は好みが分かれると思いますが、軽い感じのシャッター音だったEOS Rに比べて、切れ味のよい音になっています。

実機確認でもEOS R5のシャッター音はとても静かで、上質なキレ味という印象でとても気に入りました。

ただここまで静かだとポートレート撮影ではデメリットになるかもしれません。

結論:シャッター音が静かで上質な音になった

ISO感度

  • EOS R5:(常用)ISO100~51200
    (拡張)L(50)、H(102400)
  • EOS R6:(常用)ISO100~102400
    (拡張)L(50)、H(204800)

ISO感度性能は、2010万画素のR6が常用感度102400という高い感度を達成しています。

画素数を抑えることで1画素当たりの受光量が増え、高感度により強くなっているのが特徴です。

こちらの動画では、EOS R6とR5、EOS RやRPとの高感度画質比較が行われています。

R5とR6の比較はこの環境ではわかりにくいですが、EOS RやRPとは高感度画質に差が出ていることがわかります。

また、海外サイトのimaging-resource.comではR5とR6の高感度テストをしています。

EOS R5の高感度テスト

EOS R6の高感度テスト

この比較ではISO6400では画質差がわかりにくかったのですが、ISO12800ではR5の方がノイズ量がやや増えているように感じます。

ただこの感度でも解像感の低下は目立っていないので、両機とも高感度に強い機種と言えそうです。

補足
動画時の常用ISO感度はR5・R6ともに100~25600となっています。
結論:高感度性能はR6が有利

AF性能

  • EOS R5:デュアルピクセルCMOS AF II
  • EOS R6:デュアルピクセルCMOS AF II

EOS R5・R6ともに新DIGICの高速処理によってデュアルピクセルCMOS AF IIへアップグレードされ、より高精度なAFとなっています。

こちらの動画では、EOS R5・R6それぞれでRF24-70mm F2.8 L IS USMレンズ、EF85mm F1.8 USMレンズを装着してAF速度をテストしています。まずはEOS R5になります。

次にEOS R6になります。

どちらの機種でもRFレンズは高速に合焦しています。古いEFレンズでも速い印象ですが、RFレンズよりワンテンポ遅くなっています。

動画ではAF速度テストに続いて瞳AFや動く動物の捕捉テストも行っているので参考になると思います。

EOS R5の実機確認でもRF24-70mm F2.8 L IS USMとの組み合わせでは、瞬間的に合焦するAFがとても気持ちよく感じました。

また被写体の動きに合わせてサーボAFの追従特性を調整する機能があり、鉄道やペット、子供など被写体によりサーボ動作を最適化できます。

EOS R5・R6サーボ設定

そして光束対応AFはF22となっていて、同時発売の望遠レンズRF600mm F11 IS STMにテレコンRF2.0xを装着してもフォーカスできることになります。

結論:AF性能が大幅に向上

人物・動物AF検出

  • EOS R5:人物・動物AF
  • EOS R6:人物・動物AF

2機種ともディープラーニング技術を使った[EOS iTR AF X]により、人物は「瞳・顔・頭部」、動物(犬・猫・鳥)は「全身・顔・瞳」の検出が可能となっています。

これにより人物や動物は横や後ろ向きでも補足できるようになります。

瞳AFのみだと顔の向き次第で目を捕捉できなくなりAFが外れますが、頭部や身体も補足できるので常にピントを合わせ続けることができるのがメリットです。

こちらの動画では、EOS R5、α7RIV、Z7の3メーカーでの瞳AFテストをしています。

EOS R5は高い瞳AF性能のα7RIVと同レベルの捕捉力で、モデルが後ろを向いても頭部を捕捉している点は、ソニーよりも優れているように見えます。

次はEOS R5での動物AFの動画になります。

動物の顔や身体も捕捉できることで、常にAFフレームが捉え続けていることが確認できます。

補足
AFフレーム選択ボタン→infoボタンの順に押すと「瞳検出する/しない」を切り替えできます。
結論:人物・動物がどの向きでも追従してくれる

低輝度合焦限界

  • EOS R5:EV-6
  • EOS R6:EV-6.5

※F1.2レンズ使用時・中央測距点・ワンショットAF時

低輝度合焦限界はR6がEV-6.5と少し優れていますが、2機種ともに暗い環境でAFが合いやすくなっています。

EOS R5低輝度合焦限界
画像出典:キヤノン公式サイト

ニコンZ7やソニーα7RIVなどのライバル機の低輝度対応より低い数値ですが、これらの機種はF2レンズでの使用結果のため、同条件ではないようです。

ただそれでも暗い場所のAFは強化されています。

結論:暗所に強いAF

測距エリア

  • EOS R5:横 約100% × 縦 約100%(最大)
  • EOS R6:横 約100% × 縦 約100%(最大)

[顔+追尾優先AF]時、測距エリアは縦横100%となります。それ以外の任意選択のAFエリアは横90% × 縦100%となります。

EOS R5測距エリア
画像出典:キヤノン公式サイト

EOS Rも広い測距エリアでしたが、さらに広くなったことで構図の自由度が高くなり撮影しやすくなっています。

またAFエリアの分割数は最大1053分割となり(EOS Rは143分割)、より高精度なピント合わせができます。

EOR R5AFエリア分割
画像出典:キヤノン公式サイト

1053分割となったことでAFフレームの移動に時間がかかりそうですが、マルチコントローラーでのAFフレーム速度が高速化されていて、さらに速度を3段階で好みに調整することもできるようになっています。

補足
測距エリア100%となる対応レンズ一覧ページはこちら(キヤノン公式サイト)
結論:測距エリアが全画面になった

連写性能

  • EOS R5:(メカシャッター)最高約12コマ/秒
    (電子シャッター)最高約20コマ/秒
  • EOS R6:(メカシャッター)最高約12コマ/秒
    (電子シャッター)最高約20コマ/秒

連写性能が低かったEOS Rから改善され、フルサイズ機としては最速レベルの連写速度になりました。R5の4500万画素でも同様のスペックとなっています。

電子シャッター時はAF/AE追従で約20コマ/秒と高速になります。

海外のキヤノン公式動画で、R5の電子シャッター連写が紹介されていました。
(※音声が出ます)

この動画では、一瞬のブラックアウトの後は連続したコマ送りのようにモニターに表示されています。

ローリングシャッター歪み

キヤノン公式サイトでは電子シャッターでのゴルフスイング画像を掲載していて、ローリングシャッター歪みにも強くなっているようです。

電子シャッター歪み
画像出典:キヤノン公式サイト

電子シャッター時のローリングシャッター歪みはこちらの動画でテストされていました。まずはEOS R5になります。

次にEOS R6の電子シャッターです。

こちらの動画では、EOS R5よりR6の方が歪みが大きいと解説しています。

またEOS R5のローリングシャッター歪みのテストをしたツイートがありました。他機種と比べて歪みの影響がとてもわかりやすく紹介されています。

EOS R5の電子シャッターは、α9に近い歪みの少なさが実現できているようです。

連写速度について

最高の連写速度は上記の仕様ですが、バッテリー残量や様々な条件により連写速度は遅くなります。

例えば、EOS R5はバッテリー残量が60%以下(EOS R6は30%以下)になるとメカシャッター12コマ/秒が9.2コマ/秒や6.8コマ/秒に減少したり、フリッカーレス撮影時も連写速度が低下するとのことです。

以下は、バッテリー残量が60%以上のEOS R6と、残量60%以下のEOS R5をそれぞれ連写した動画になります。

補足
  • キヤノン公式サイトには連写速度が遅くなる条件が書かれています。
    R5のQ&A
    R6のQ&A
  • 電子シャッターの連写は最高20コマ/秒のみで低速連写はありません。また20コマ/秒は絞り開放時の速度となっています。
注意
キヤノン公式サイトQ&Aのメカシャッター・電子先幕項目には、以下のように書かれています。
「サーボAF時は、被写体条件や使用レンズにより、連続撮影速度が低下することがあります。」
※サーボAF時の連写速度についてはわかり次第追記する予定です。
結論:高速連写+高い追従性能のAF

記録メディア

  • EOS R5:CFexpressカード、SDカードUHS-II
  • EOS R6:SDカードUHS-II ×2

2機種ともデュアルカードスロットですが、R5の片方はCFexpressカードとなっています。

R5のCFexpressカードは8Kや4K120p動画の撮影に必要になります。また連写の連続枚数を伸ばす際にもCFexpressカードは効果的です。

シングルスロットだったEOS Rから、機種のランク差別なくR5・R6ともにデュアルスロットになったことは多くのユーザーに受け入れられています。

補足
EOS R5の動作確認済メモリーカードはキヤノン公式サイトに掲載されています。
結論:両機種ともデュアルスロット

手ブレ補正

  • EOS R5:ボディ5軸補正(最大8段)
  • EOS R6:ボディ5軸補正(最大8段)

EOS R5

ボディ内手ブレ補正がついたことは大きな注目ポイントとなっています。

しかもボディの5軸補正だけでなく、レンズ内光学式手ブレ補正との協調制御により最大8段の効果を発揮するとのことで、高い補正効果が期待できます。

IS搭載RFレンズとの協調補正が動作した場合、このように手ブレ補正アイコンに「+」が付きます。

EOS R5 手ブレ補正協調

こちらの動画では協調手ブレ補正、手ブレ補正なし、ボディ内手ブレ補正を順に効果を比較しています。

また公式サイトによると動画記録時も「レンズ内手ブレ補正とボディー内手ブレ補正の協調制御」が動作すると書かれています。

補足
・協調補正を動作させるにはレンズのファームアップが必要な場合があります。
・IS搭載RFレンズを装着している場合、レンズの手ブレ補正スイッチとボディ内手ブレ補正は連動して動作します。(レンズISがONの時はボディ内手ブレ補正もONになります。)
そのためIS搭載RFレンズ装着時はメニュー画面の「手ブレ補正(IS機能)設定」の項目は表示されなくなります。
結論:最大8段分の手ブレ補正が使える

動画性能

  • EOS R5:8K30p・4K120p・フルHD60p
  • EOS R6:4K60p・フルHD120p

R5は8K動画が記録できることで大きく注目されました。R6も4K60p撮影ができるスペックとなっています。
(EOS R6の4Kは1.07倍とわずかなクロップがあるとの海外レビューが出ています。)

画質面では4K記録の場合、R5は8.2Kオーバーサンプリング(※4K高画質設定時)、R6は5.1Kオーバーサンプリングによる高品位な4K動画が記録できるのはメリットです。

R5の8K動画や4K120p・60pは熱停止問題が話題になりましたが、使用方法としては長回しではなく短いカット撮影が適していると思われます。

キヤノン公式サイトには熱停止までの時間について書かれています。

EOS R5

EOS R5 動画オーバーヒート
参照元:キヤノン公式サイト

EOS R6

EOS R6 動画オーバーヒート
参照元:キヤノン公式サイト

すでにユーザーからの口コミでは、熱停止すると完全に冷めるまでかなり時間がかかるとのことなので、撮影時間が長い撮影は注意が必要です。

またカード容量256GB・128GBの記録時間の主な目安はこのように書かれています。中でもEOS R5の8K動画やALL-I形式で記録する場合はデータが重くなります。

EOS R5

256GB ビットレート
8K DCI 30p RAW 13分 2600Mbps
8K DCI 30p ALL-I 26分 1300Mbps
8K DCI 30p IPB 1時間12分 470Mbps
4K DCI 60p ALL-I 36分 940Mbps
4K DCI 60p IPB 2時間27分 230Mbps

EOS R6

128GB ビットレート
4K UHD 60p IPB 1時間13分 230Mbps
4K UHD 30p IPB 2時間20分 120Mbps
フルHD 60p IPB 4時間37分 60Mbps
フルHD 30p IPB 9時間1分 30Mbps
注意
  • 2機種ともに内部記録は連続30分制限があります。
  • EOS R5のハイフレームレートは4K120pのみでフルHD120pは記録できません。
  • EOS R5の内蔵マイクはモノラルになります。
  • EOS R5はデュアルスロットに同時記録(ただしRAW+MP4記録のみ)が可能で、EOS R6は動画の同時記録はできない仕様になっています。
  • 「動画電子IS」を使用すると画角がクロップされます。
結論:8K、4K動画も高画質。ただ熱問題には注意。

EVF

  • EOS R5:0.5型 576万ドット
  • EOS R6:0.5型 369万ドット

EOS R5 R6 EVF
画像出典:キヤノン公式サイト

EVF(電子ビューファインダー)の画面サイズは2機種とも同じで、ドット数のみR5が上回っています。

ただR6は綺麗なEVFだったEOS Rと同じ仕様なので、R6でも十分なスペックに感じます。

そしてEVF(または液晶モニター)のフレームレートは「なめらかさ優先(120fps)」と「省電力優先(60fps)」から選択ができるようになっています。

60fpsでも見やすいと思いますが、120fpsはカメラを振ってもなめらかな表示で動体撮影に適しています。

補足
別売のバッテリーグリップBG-R10を使用すると、フレームレートは省電力優先(60fps)のみとなります。
結論:R5のEVFは高解像度

Wi-Fi

  • EOS R5:5GHz帯、2.4GHz帯
    IEEE 802.11b/g/n/a/ac
  • EOS R6:2.4GHz帯
    IEEE 802.11b/g/n

Wi-Fiは2020年4月にサービスが開始された[image.canon](30日間の画像保存)を利用する場合に便利です。

[image.canon]は撮影後にWi-Fi環境へ移動し、カメラの電源をONにすることでクラウドへ画像(RAWも対応)が自動転送されるサービスです。

クラウド転送後はスマートフォンで撮影画像を見たり、PCで写真をダウンロードすることもできます。カメラからSDカードを抜いてパソコンに挿すという作業が不要になるメリットがあります。

2機種ともに利用可能ですが、R5のWi-Fiは5GHz帯に対応しているのでクラウドへのアップロードが高速になります。

結論:クラウド転送はR5が高速

カメラ内RAW現像

  • EOS R5:対応(DPRAW現像対応
  • EOS R6:対応

2機種ともにカメラ内でRAW現像を行うことができ、ホワイトバランスや明るさ、ノイズ低減、レンズ光学補正などが調整できます。

新機能として、人物の顔領域のみを明るく自動補正する「顔ライティング補正」が追加されました。

EOS R5顔ライティング補正
画像出典:キヤノン公式サイト

またR5はDPRAW形式で記録することができます。

DPRAWはカメラ内現像で、被写体の照明方向や光の強さ(ポートレートリライティング)や背景のシャープさ(背景明瞭度)を手動で調整することができます。

DPRAWは純正現像ソフト[Digital Photo Professional]に取り込むことで、解像感補正・ボケシフト・ゴースト低減を調整することもできます。

結論:カメラ内RAW現像の機能が追加された

バッテリー(撮影枚数)

  • EOS R5
    ファインダー:約220枚(なめらかさ優先)
    約320枚(省電力優先)
    ライブビュー:約320枚(なめらかさ優先)
    約490枚(省電力優先)
  • EOS R6
    ファインダー:約250枚(なめらかさ優先)
    ライブビュー:約360枚(なめらかさ優先)
    約510枚(省電力優先)

バッテリーは容量を増やしたLP-E6NH(2130mAh)を採用していますが、仕様表の撮影枚数はミラーレスとしても少なくなっています。

これはCIPAによるやや厳しい測定基準による枚数なので、実際には表記の枚数より多く撮れると思われます。特にミラーレスのため連写使用の場合は撮影枚数が大きく伸びる傾向があります。

実際に使用された方が撮影枚数をツイートされています。

公表の撮影枚数より多く撮れているようです。

他のユーザーの口コミでもバッテリー1個で500~1000枚程度は撮れていたり、連写を使った撮影では数千枚は撮れているようです。

補足
EOS R・5D系のバッテリーLP-E6N/LP-E6と互換性があるので、お持ちの方はそのバッテリーを活用することができます。(EOS RPのLP-E17は非対応)
結論:仕様の撮影枚数より多く撮れる

5. EOS R5・R6で改善された点

EOS R5・R6はEOS Rで指摘されていた不満点が、いくつか改善されています。

補足
※この項目は発売前の執筆のため、レビュー情報やキヤノンサポート窓口へメール問い合わせ結果を掲載しています。

プレビューの表示速度

撮影画像を表示するに設定していた場合、EOS Rではワンテンポ遅れて画像が表示される問題がありましたが、EOS R5ではすぐに表示されて改善しているとの体験レビューが出ています。

水準器非表示問題

EOS Rでは瞳AFを使おうとしてAF方式を「顔+追尾優先AF」に設定した際、水準器が表示されない問題がありましたがEOS R5・R6では改善されました。

例えば瞳AFを使うポートレートでは水平を取りたい場面がありますし、追尾優先を使う鉄道撮影では水準器表示ができて便利になりそうです。

この点についてキヤノンサポートへ問い合せた内容になります。

コヤくん

EOS Rは「顔+追尾優先AF」時に水準器が表示されない仕様でしたが、R5・R6は「顔+追尾優先AF」時に水準器が表示可能でしょうか?
「顔+追尾優先AF」時もEOS R5、EOS R6両機種で、水準器の表示が可能となりました。

キヤノンサポート

バリアングル時のEVF動作

バリアングルを開いた際、EVFのアイセンサーが反応して液晶モニター画面が消えることがあります。

そのバリアングルを開いた時のアイセンサー動作を選択できるようになりました。EOS R5・R6どちらにもこの機能があります。

EOS R5 R6 バリアングルEVF

このように「モニター固定」設定にしておくことで、EVFを塞いでも液晶モニターを表示されたままにすることができます。

プレビュー確認を背面液晶で行う

EOS R5・R6はメニューの「撮影画像の確認」に「ファインダー内表示」の項目が追加されています。

EOS R5 R6撮影画像の表示

この設定を「しない」にすると、EVFを使用している際に撮影画像をEVF内ではなく背面液晶モニターにのみ表示させることができます。

一眼レフのスタイルで撮影画像を確認したい場合はこの設定が便利です。

6. EOS R5・R6の不満点

筆者が個人的に改善を期待していた点をまとめてみました。

上記項目と同じく発売前の執筆のため、キヤノンサポート窓口の問い合わせ結果を掲載しています。

MF拡大時にシャッター半押しで戻らない

EOS R5・R6はMF時に拡大ボタンでピント合わせをした後、シャッターボタン半押しで拡大が解除されない仕様となっています。これはEOS Rと同じ仕様で改善がありませんでした。

MFでフォーカスガイドを使う場合はもとより拡大操作ができない仕様なのでよいのですが、電子接点のないオールドレンズを装着した場合はフォーカスガイドが使えないので画面拡大と解除の操作性は重要になると思います。

この点についてキヤノンサポートへ問い合せた内容になります。

コヤくん

MFで拡大してフォーカスを合わせた後、シャッターボタン半押しで拡大を解除することはできますか?
MFにて撮影時、拡大ボタンを押すと画面を拡大表示できますが、あいにく、シャッターボタン半押しにて拡大は解除されません。
(撮影後には自動で拡大が解除されます。)

このたびは、EOS R5やEOS R6をご検討いただいているところ、
ご希望に適うご案内ができず、誠に申し訳ございません。

キヤノンサポート

また、発売前の現時点ではEOS R5・R6の仕様表にフォーカスガイドの記載がありませんが、機能はついているようです。

コヤくん

EOS Rで使えていたMF時の「フォーカスガイド」は、R5・R6どちらの機種でも使用可能でしょうか?
MF時の「フォーカスガイド」は、EOS R5、EOS R6両機種に引き続き搭載しております。

キヤノンサポート

撮影直後の画像から前の画像を表示できない

撮影直後の画像(プレビュー)を表示した場合、その画像が表示されている状態からサブ電子ダイヤルを回して一つ前の画像を表示させることはできない仕様でした。

以前に撮影した画像を表示させるには、プレビュー表示中でも一度再生ボタンを押して再生画面に入る必要があるとのことです。

これはEOS R5・R6に限らずキヤノン機の仕様のようですが、プレビュー表示からそのまま前の画像に移動できると便利でした。

この点についてキヤノンサポートへ問い合せた内容になります。

コヤくん

撮影直後の画像を表示する場合に、その画像が表示されている状態からサブ電子ダイヤルを回して一つ前の画像を表示することはできますか?
カメラ設定により、撮影直後に自動で画像の表示ができますが、恐れ入りますが、画像表示中にサブ電子ダイヤルを操作すると、撮影画面に戻ります。

お手数ですが、別の画像を確認する場合は、再生ボタンを押し、画像を切り替えていただけますようお願いいたします。

キヤノンサポート

EOS R6の動画は同時記録不可

EOS R5はデュアルスロットにRAW+MP4の同時記録が可能な仕様ですが、EOS R6はSDカード2枚に動画を同時記録することはできない仕様でした。

またリレー記録についても、1枚目が満杯になると一旦録画は停止する仕様となっていました。

この点についてキヤノンサポートへ問い合せた内容になります。

コヤくん

EOS R6のデュアルスロットに動画記録画質に適応する性能のSDカードを2枚入れたとします。
その場合、4K60p・4K30p・フルHDハイフレームレートなどの動画を2枚のSDカードに同一書き込み(同時記録)することは可能でしょうか?
またカード自動切り替え(リレー記録)をすることは可能でしょうか?
はじめに同一書き込みに関しまして、誠に恐れ入りますが、動画は、2枚のSDカードに同一書き込み(同時記録)することができません。

カード自動切り換えにつきましては、EOS R6には「カード自動切り換え」という設定がございます。

しかし、ご希望に適う機能かどうか判断しかねておりますが、「カード自動切り換え」を設定していても、記録先として設定しているSDカードがいっぱいになった時点で、一度撮影が停止する仕様でございます。

具体例としまして、動画撮影中にカード1がいっぱいになった時点で、「カード自動切り換え」を設定していても撮影が停止いたします。

そして、次に動画撮影ボタンを押して撮影する際は、記録先カードがカード2に自動で切り換わった状態で撮影開始となります。

“カードがいっぱいになったら記録先カードを切り換えて動画撮影を継続する”という動作ではございませんため、何卒ご留意くださいますようお願いいたします。

キヤノンサポート

7. 上手な選び方のポイント

EOS R5とEOS R6を検討している方に、選び方のポイントをまとめてみました。

EOS R5

EOS R5は8K30p・4K120p動画や4500万画素のセンサーに魅力を感じる方に適した機種となっています。

また通信機能の5GHz帯に対応していることや、高解像度EVF、マグネシウム合金のボディなどワンランク上の仕様となっています。

ポイント:キヤノンの最新技術を詰め込んだミラーレス機
EOS R5の販売方法

EOS R6

EOS R6は8K動画などの機能はありませんが、動画は4K60pに対応していたり、高性能AFは同じ仕様となっています。

下位モデルというほどの機能制限はなく、「NEW STANDARD」と位置づけられる新しいモデルとなっています。

ポイント:キヤノンの新しい高性能標準モデル
EOS R6の販売方法

8. 性能比較表

以下は2機種のスペック比較になります。

機種名 EOS R5 EOS R6
発売時期 2020年7月30日 2020年8月27日
マウント キヤノンRFマウント
イメージセンサー フルサイズ
画像処理エンジン DIGIC X
画素数 4500万画素 2010万画素
手ブレ補正 最大8段分
※協調補正対応RFレンズ使用時
※IS非搭載レンズ時は5軸手ブレ補正
ダスト対策 シャッター閉幕機能(使用選択可)
シャッター耐久 50万回 30万回
常用ISO感度
※静止画撮影
ISO100~51200 ISO100~102400
測光方式 384分割
測光範囲
※静止画撮影
EV‒3~20
AF方式 デュアルピクセルCMOS AF II
記録画像タイプ JPEG、HEIF、RAW、DPRAW、C-RAW JPEG、HEIF、RAW、C-RAW
アスペクト比 3:2、1.6倍クロップ、
4:3、16:9、1:1
メカシャッター
/電子先幕
1/8000~30秒
電子シャッター 1/8000~0.5秒
連写 メカシャッター:~12コマ秒
電子シャッター:~20コマ秒
連続撮影枚数
※UHS-II SDカード時
※()はCFexpressカード時
JPEG:約350枚
RAW:約87枚
RAW+JPEG:約79枚(160枚)
JPEG:約1000枚以上
RAW:約240枚
RAW+JPEG:約160枚
フラッシュ同調速度 メカシャッター:1/200秒
電子先幕:1/250秒
AF被写体検出 人物の瞳・顔・頭部
動物(犬・猫・鳥)の全身・顔・瞳
測距点 1053点
光束対応AF F22
測距輝度範囲
※静止画撮影
EV‒6~20 EV‒6.5~20
フリッカーレス
※静止画撮影
EVF 0.5型 576万ドット
約0.76倍
0.5型 369万ドット
約0.76倍
液晶モニター 3.2型 210万ドット
タッチパネル
3.0型 162万ドット
タッチパネル
液晶モニター可動 バリアングル液晶
タッチシャッター
タッチ&ドラッグAF
EVF・モニター表示 なめらかさ優先(120fps)
/省電力優先(60fps)
Wi-Fi 5GHz/2.4GHz
IEEE 802.11a/ac/b/g/n
2.4GHz
IEEE 802.11b/g/n
bluetooth Bluetooth5.0 Bluetooth4.2
カードスロット デュアルスロット
CFexpressカード
SDカードUHS-II
デュアルスロット
SDカードUHS-II
SDカードUHS-II
インターフェイス USB Type-C(USB3.1 Gen2)
HDMIマイクロ端子(タイプD)
外部マイク入力
ヘッドフォン
リモコン端子(対応N3タイプ)
シンクロ端子
USB Type-C(USB3.1 Gen2)
HDMIマイクロ端子(タイプD)
外部マイク入力
ヘッドフォン
リモコン端子(対応E3タイプ)
USB充電・給電 ◯(PD-E1使用時)
防塵・防滴
外形寸法(mm) 138.5(幅)
97.5(高さ)
88(奥行)
138.4(幅)
97.5(高さ)
88.4(奥行)
重さ(バッテリー、
メモリーカード含む)
738g 680g
バッテリーグリップ
(別売)
BG-R10
拡張グリップ
(別売)
WFT-R10B
ボディ材質 マグネシウム合金 (外装)ポリカーボネート樹脂
(内部)マグネシウム合金
撮影可能枚数
()は省電力優先
ファインダー:220枚(320枚)
ライブビュー:320枚(490枚)
ファインダー:250枚
ライブビュー:360枚(510枚)
バッテリーパック LP-E6NH
機種名 EOS R5 EOS R6
記録方式 MP4、RAW MP4
録音 モノラルマイク内蔵、外部ステレオマイク端子装備 ステレオマイク内蔵、外部ステレオマイク端子装備
音声記録方式 ALL-I/IPB:ACC/リニアPCM(選択可能)、
IPB(軽量):AAC
IPB:ACC/リニアPCM(選択可能)、
IPB(軽量):AAC
動画記録サイズ 8K DCI:8192×4320(約17:9)
8K UHD:7680×4320(16:9)
4K DCI:4096x2160(約17:9)
4K UHD:3840x2160(16:9)
フルHD:1920x1080(16:9)
※ファームウエア Version 1.3.0で各記録サイズに「軽量」が追加
4K UHD:3840x2160(16:9)
フルHD:1920x1080(16:9)
※ファームウエア Version 1.3.0で各記録サイズに「軽量」が追加
CanonLog
HDR PQ
10bit 4:2:2、H.265
8K 8K DCI(29.97/23.98fps)
/RAW :約2600Mbps
/ALL-I :約1300Mbps
/IPB(標準) :約470Mbps
8K UHD(29.97/23.98fps)
/ALL-I :約1300Mbps
/IPB(標準) :約470Mbps
8Kクロップ なし
4K 4K DCI(59.94fps)
/ALL-I :約940Mbps
/IPB(標準) :約230Mbps
4K DCI(29.97/23.98fps)
/ALL-I :約470Mbps
/IPB(標準) :約120Mbps
4K DCI(119.88fps)
/ALL-I :約1880Mbps
4K UHD(59.94fps)
/ALL-I :約940Mbps
/IPB(標準) :約230Mbps
4K UHD(29.97/23.98fps)
/ALL-I :約470Mbps
/IPB(標準) :約120Mbps
4K UHD(119.88fps)
/ALL-I :約1880Mbps
4K UHD(59.94fps)
/IPB(標準) :約230Mbps
4K UHD(29.97/23.98fps)
/IPB(標準) :約120Mbps
4Kクロップ 4K/60pは「する・しない」選択可
フルHD フルHD(59.94fps)
/ALL-I :約180Mbps
/IPB(標準) :約60Mbps
フルHD(29.97/23.98fps)
/ALL-I :約90Mbps
/IPB(標準) :約30Mbps
フルHD(29.97fps)
/IPB(軽量) :約12Mbps
※120p(ファームアップ予定)
フルHD(119.88fps)
/IPB(標準) :約120Mbps
フルHD(59.94fps)
/IPB(標準) :約60Mbps
フルHD(29.97/23.98fps)
/IPB(標準) :約30Mbps
フルHD(29.97fps)
/IPB(軽量) :約12Mbps
フルHD HDR動画(29.97fps)
/IPB(標準) :約30Mbps
タイムラプス動画 (8K)(29.97/25.00fps)
/ALL-I :約1300Mbps
(4K)(29.97/25.00fps)
/ALL-I :約470Mbps
(フルHD)(29.97/25.00fps)
/ALL-I :約90MbpsI
4K UHD(29.97fps)
/ALL-I :約470Mbps
フルHD(29.97fps)
/ALL-I :約90Mbps
常用ISO感度
※動画撮影
100~25600
測光範囲
※動画撮影
EV‒1~20
測距輝度範囲
※動画撮影
[8K]EV‒3~20
[4K・フルHD]EV‒4~20
EV‒5~20
撮影可能時間 8K動画:20分
4K/60P:25分
4K/60P:30分
連続録画時間制限 29分59秒
動画プロファイル Canon Log
※Canon Log3(ファームウェア対応予定)
Canon Log
動画電子IS 可能
※使用時はクロップあり
キヤノン
キヤノン

9. まとめ

EOS Rの登場以降、ようやくハイスペックなフルサイズミラーレスが登場しました。

動画機能も注目ですが、AFが強化されたことでミラーレスでも動体撮影の性能向上が魅力の機種となっています。

現時点では使い勝手の情報は少ないので、わかり次第更新する予定です。

まとめ
  • 映像エンジンは最新のDIGIC X
  • R5は8K動画対応の4500万画素
  • R6の常用ISO感度は102400
  • デュアルピクセルCMOS AFが動物AFにも対応
  • 最高20コマ/秒の高速連写
  • 手ブレ補正最高8段分
  • デュアルカードスロット