ソニーからAPS-Cの新機種「α6600」と「α6100」が発売されることになりました。
半年前に発売された「α6400」も合わせて、似た機種が3台ラインナップされています。
このページでは初めてα6000シリーズを考えている方に、この3機種から選ぶポイントをご紹介しています。
また最後には性能比較表をまとめています。
ノーノちゃん
コヤくん
このページの目次
1. 外形寸法
ボディサイズは3機種ともにほぼ同じになっていて、α6600はグリップ部のみ大きくなっています。
写真ではわかりにくいですが、α6400とα6600は外装にマグネシウム合金が使われていて高級感があります。
ノーノちゃん
コヤくん
2. 発売日と価格
3機種の発売日と相場はこのようになっています。
- α6600:2019年11月1日
- α6100:2019年10月25日
- α6400:2019年2月2日
3. 共通性能
まず始めに、α6600・α6100・α6400の3機種に共通した機能をまとめておきます。
ご紹介する機能は、どのモデルを購入しても使うことができます。
- AF性能
- 画質
- タッチ操作
- シャッタースピード
- 動画性能
- 可動式液晶
①AF性能
- リアルタイム瞳AF:
人(または動物)の瞳をピントが合わせ続ける機能 - リアルタイムトラッキング:
狙った被写体を自動でピントが追いかける機能
※α6400の瞳AF(動物対応)はアップデートVer.2.00で可
この2つのAF機能により、動き周る子供やスポーツ選手など、これまで非常に難しかった撮影が簡単に行えるようになっています。
特に、低価格モデルのα6100にまでこの機能が追加されたことは画期的といえるでしょう。
②画質
- 2420万画素のイメージセンサー
- 画像処理エンジン「BIONZ X」
3機種ともに2420万画素なので、同じイメージセンサーを使っていると予想されます。
画像処理エンジン「BIONZ X」は新発売のα6600・α6100が有利かもしれませんが、おそらく画質差はないでしょう。
ソニーのイメージセンサーはAPS-Cでも高感度画質の評価が高く、α6600・α6100も期待ができそうです。
③タッチ操作
- タッチでピント合わせができる
- タッチシャッターができる
3機種ともにタッチシャッターに対応しています。
これにより操作に慣れていない初心者の方でも、スマホ感覚で写真を撮ることができて便利になりました。
ただ他社のタッチ機能と違い、メニュー画面の操作はできません。
十字キー操作でも問題ないのですが、今後のモデルはタッチでもメニューを操作できるようになるといいですね。
④シャッタースピード
- 1/4000-30秒
シャッタースピードは最速で1/4000秒となっています。
α6600もフルサイズ機のような1/8000秒は採用されず、3機種ともに同じシャッタースピードの仕様になっています。
⑤動画4K対応
- 4K動画対応
今回からどのモデルを選んでも、4K動画は標準機能として撮影できるようになりました。
下位シリーズのα6100でも4Kの高画質な動画を記録することができます。
⑥可動式液晶
- チルト式液晶
(上約180°、下約74°)
背面液晶は上下に動くチルト式となっていて、3機種ともに上は180°動いて反転させることもできます。
これにより自撮りもできるようになりました。
ノーノちゃん
コヤくん
4. 3機種の比較
ここからはα6600・α6100・α6400で異なる機能や特徴をご紹介します。
好みによって欲しい機能、なくてもよい機能などを判断することができます。
ボディ内手ブレ補正
- α6600:あり
- α6100:なし
- α6400:なし
α6600はα6500の後継機となっていて、ボディ内手ブレ補正が付いたシリーズになります。
どのレンズを付けても手ブレ補正が働くので、手ブレ写真の失敗が起きにくいことがメリットです。
α6100とα6400にはボディ内手ブレ補正がありませんが、セット販売されているキットレンズには手ブレ補正がついているので、そのレンズを使う場合はデメリットにはなりません。
バッテリーの持ち
- α6600:約720枚
- α6100:約380枚
- α6400:約360枚
※いずれもファインダー撮影時
一般的にミラーレスはバッテリーが短く、たいていは300枚くらいの撮影でバッテリーが切れてしまいます。
しかしα6600にはフルサイズのα7IIIなどに使われている大容量バッテリーの「NP-FZ100」を採用していて、約720枚の長寿命となりました。
α7IIIは口コミでは1000枚撮影できるとの情報もあり、このバッテリーなら値段の高い予備バッテリー(約8,000円)を用意しなくてもよいかもしれません。
ファインダー解像度
- α6600:235.9万画素
- α6100:144万画素
- α6400:235.9万画素
ファインダー解像度は画素数が高いほど、ファインダー内の映像が綺麗に見えます。
各社の入門機は200万画素以上が標準レベルになっていて、α6100の144万画素だと少し画質が気になると思われます。
※α6100は10月に実機が展示されるため、また確認して追記する予定です。
持ちやすさ
- α6600:グリップ大きめ
- α6100:グリップ小さめ
- α6400:グリップ小さめ
3機種とも縦横のボディサイズは同じですが、グリップ部に違いがあります。
α6600のみグリップが大型化されて深さがあり、一眼レフのように握ることができます。
実際に握った感覚では、フルサイズ「α7III」のグリップに近くなった印象でした。
重量のあるレンズでもグリップの大きなα6600であればしっかり構えることができます。
動画時の瞳AF
- α6600:対応
- α6100:非対応
- α6400:非対応
瞳AFは3機種とも静止画(写真撮影)で動作しますが、動画撮影でも動作するのはα6600のみとなっています。
動画でも瞳AFが働くと、常に人物の顔にピントが合った動画を撮ることができるので楽に撮影ができます。
一方α6100・α6400にはその機能はありませんが、被写体を追う「タッチトラッキング機能」を使うことでカバーできます。
この機能は液晶をタッチするとその被写体を追う機能で、動く被写体の動画撮影に活用できます。
動画ピクチャープロファイル
- α6600:設定可
- α6100:設定不可
- α6400:設定可
動画のピクチャープロファイル機能は、映像の階調や発色、輪郭を調整する機能になります。
好みの色調で撮影することができ、こだわりの映像を記録することができます。
この機能は下位モデルのα6100は省かれています。
連写性能(バッファ)
- α6600:115枚
- α6100:77枚
- α6400:115枚
バッファが大きいほど、連写継続時間が長くなります。
3機種の中ではα6100がJPEG(L・ファイン画質)で連続77枚までと少なくなっています。
連写スピードは11コマ/秒なので、α6100は約7秒間まで連写を続けることができることになります。
ただα6600とα6400も115枚までなので、それほど大きな差はなさそうです。
内蔵フラッシュ
- α6600:なし
- α6100:あり
- α6400:あり
α6600は内蔵フラッシュが省かれているので注意が必要です。
大きなレンズをつけて内蔵フラッシュを使った場合、ケラレ(フラッシュの光がレンズ先端に当たり影ができる現象)が起きやすくなります。
そのためソニーは外付けフラッシュを推奨しているのかもしれません。
カスタムボタンの数
- α6600:4個
- α6100:2個
- α6400:2個
「C1」や「C2」とあるカスタムボタンは、α6600が4個となっていて操作の自由度がアップしています。
特にフラッシュボタンが消えたことで、親指の近くに「C3」が配置されました。この位置なら頻繁に使う機能を割り当てておくと便利そうです。
ヘッドホン端子
- α6600:あり
- α6100:なし
- α6400:なし
APS-Cのαシリーズにはこれまでヘッドホン端子はありませんでしたが、α6600には追加されました。
これにより動画撮影をしながらイヤホンで音量を確認することができ、より本格的なムービー撮影ができるようになっています。
ボディ素材
- α6600:マグネシウム合金(全面)
- α6100:なし
- α6400:マグネシウム合金(トップカバー、フロントカバー)
ボディの素材は低価格モデルは樹脂製となっていますが、α6600とα6400にはマグネシウム合金を使った金属ボディとなっています。
特にα6600は背面も含めて金属素材のため、カメラの剛性が高く、また質感にも高級感が出ます。
重量
- α6600:503g
- α6100:396g
- α6400:403g
α6600は手ブレ補正やバッテリー増量のため、他の2機種より100gほど重くなっています。
筆者の意見としては、α6600の場合は重量500gなどの重いレンズの装着が想定されるため、ボディ100gの差はそれほど影響はないように思います。
価格
- α6600:16万円前後
- α6100:9万円前後
- α6400:11万円前後
α6600とα6100は発売前のため予想価格ですが、手ブレ補正やバッテリーを増量したα6600は価格が高くなっています。
α6400は先に発売していることもあり、実売価格はこれより下がっている場合もあります。
ノーノちゃん
コヤくん
5. 上手な選び方のポイント
3機種は似ているようで、それぞれに特徴がありました。
そこでこの3機種から、選ぶ際のポイントを整理しておきます。
α6600
α6600はα6500の後継機で、ボディ内手ブレ補正があることが一番の特徴です。
さらに大型バッテリーを採用したことで、1日中の撮影ができるのは非常に嬉しい改良点ではないでしょうか。
AF性能も強化されたことで価格は高くなりますが、高性能で評価も高く、メイン機種としても使えるモデルになります。
また品質の高い新レンズ「E 16-55mm F2.8 G」は手ブレ補正がついていないので、α6600の手ブレ補正が生かせる組み合わせになります。
- ボディ
- 高倍率ズームレンズキット
付属レンズは「E 18-135mm F3.5-5.6 OSS」
α6100
入門機でありながら高いAF性能が追加されたことが、最も大きな特徴になります。
他の2機種と比べると、ファインダーの解像度以外にも水準器の非搭載など細かい機能が省かれています。(※詳しくは仕様表をご覧ください。)
ただ下位モデルなのでもともと機能は少ないですし、割り切ってお得にAF性能を手に入れることができる機種、と考えればメリットがあります。
- ボディ
- パワーズームレンズキット
付属レンズは「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」 - ダブルズームレンズキット
付属レンズは「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」、
「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」
※レンズ名の「OSS」は手ブレ補正を表します。
α6400
α6600・α6100より一足先に発売されたモデルですが、3機種では中間の位置づけになります。
α6100で省かれている機能がα6400にはあるので、操作などの使い勝手が良くなっています。
- イメージセンサーのゴミ取り機能
- ファインダーの解像度
- ISO感度の低速限界設定
- 水準器
- 防塵防滴仕様
α6400は、「α6100だと機能が劣るので、もう少しパワーアップしたモデルを使いたい」、という人に適しています。
α6100と同様にボディ内手ブレ補正はありませんが、セット販売のレンズで使う場合は手ブレ補正がついているので安心です。
α6400はすでに価格が下がり始めているので、こちらもお得な機種といえます。
- ボディ
- 高倍率ズームレンズキット
付属レンズは「E 18-135mm F3.5-5.6 OSS」 - パワーズームレンズキット
付属レンズは「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」 - ダブルズームレンズキット
付属レンズは「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」
「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」
※レンズ名の「OSS」は手ブレ補正を表します。
6. 性能比較表
新機種のα6600・α6100と、α6400を比較した一覧表になります。
機種名 | α6600 | α6100 | α6400 |
---|---|---|---|
発売時期 | 2019年11月1日 | 2019年10月25日 | 2019年2月2日 |
マウント | ソニーEマウント | ||
イメージセンサー | APS-C | ||
画像処理エンジン | BIONZ X | ||
画素数 | 2420万画素 | ||
ボディ内手ブレ補正 | 5.0段 | – | – |
ISO感度 | 100-32000 拡張:50-102400 |
100-32000 拡張:51200 |
100-32000 拡張:102400 |
ISO AUTO低速限界 | ◯ | – | ◯ |
マルチショットNR | ◯ | ||
AFエリア | 像面位相差AF:425点 コントラストAF:425点 |
||
動体追従機能 | リアルタイムトラッキング | ||
瞳AF | リアルタイム瞳AF <静止画>人物(左右瞳選択可)/ 動物、<動画>人物 |
リアルタイム瞳AF <静止画>人物(左右瞳選択可)/ 動物 |
|
検出輝度範囲 (暗所AF) |
EV-2 – 20 | ||
ピーキング | ◯ | ||
シャッタースピード | 1/4000-30秒、バルブ | ||
電子先幕シャッター | ◯ | ||
フラッシュ同調速度 | 1/160秒 (※フラッシュ装着時) |
1/160秒 | |
サイレント撮影 | ◯ | ||
フリッカーレス撮影 | – | ||
タッチシャッター | ◯ | ||
タッチフォーカス | ◯(タッチフォーカス/タッチパッド/タッチトラッキング) | ||
連写 | Hi+:11コマ/秒 Hi:8コマ/秒 Mid:6コマ/秒 Lo:3コマ/秒 |
||
連続撮影枚数 | JPEG(Lファイン)115枚 ・RAW46枚 ・RAW+JPEG44枚 |
JPEG(Lファイン)77枚 ・RAW33枚 ・RAW+JPEG31枚 |
JPEG(Lファイン)115枚 ・RAW46枚 ・RAW+JPEG44枚 |
ファインダー | 0.39型 約235.9万ドット 倍率 約0.7倍 |
0.39型 約144万ドット 倍率 約0.7倍 |
0.39型 約235.9万ドット 倍率 約0.7倍 |
背面液晶モニター | 3インチ (92.16万ドット) |
||
可動液晶モニター | チルト式液晶(上約180°、下約74°) | ||
測光範囲 | EV-2 – EV20 | ||
ダイナミックレンジ機能 | Dレンジオプティマイザー、 オートHDR |
||
アンチダスト作動 | クリーニングモード実行時 | – | 電源OFF時 |
水準器 | ◯ | – | ◯ |
14bit RAW 出力 | ◯ | ||
非圧縮RAW | – | ||
内蔵フラッシュ | – | ◯ | |
SDカードスロット | シングルスロット | ||
リモートコントロール (ワイヤレス) |
赤外線リモコン /Bluetoothリモコン |
Bluetoothリモコン | 赤外線リモコン /Bluetoothリモコン |
Wi-Fi | ◯ | ||
NFC | ◯ | ||
マルチ/ マイクロUSB端子 |
◯ | ||
マイク端子 | ◯ | ||
ヘッドホン端子 | ◯ | – | |
本体内充電/USB給電 | ◯ / ◯ | ||
カラー | ブラック | ブラック ホワイト |
ブラック シルバー |
マグネシウム合金 | 全面 | – | トップ フロント |
防塵防滴仕様 | 防塵・防滴に配慮 | – | 防塵・防滴に配慮 |
撮影可能枚数 (ファインダー /液晶モニター) |
約720枚 /約810枚 |
約380枚 /約420枚 |
約360枚 /約410枚 |
バッテリーパック | NP-FZ100 | NP-FW50 | |
外形寸法(mm) | 120(幅) 66.9(高さ) 69.3(奥行) |
120(幅) 66.9(高さ) 59.4(奥行) |
120(幅) 66.9(高さ) 59.7(奥行) |
重さ(バッテリー、 メモリーカード含む) |
約503g | 約396g | 約403g |
機種名 | α6600 | α6100 | α6400 |
---|---|---|---|
ファイル記録方式 | XAVC S、AVCHD規格 Ver.2.0準拠 | ||
圧縮形式 | MPEG-4 AVC/H.264 | ||
内蔵マイク | ステレオ | ||
音声記録方式 | XAVC S: LPCM 2ch AVCHD: Dolby Digital (AC-3) 2ch ドルビーデジタルステレオクリエーター搭載 |
||
ピクチャー プロファイル(ガンマ) |
Movie、Still、Cine1-4、 ITU709、ITU709 (800%)、 S-Log2、S-Log3、HLG、HLG1-3 |
– | Movie、Still、Cine1-4、 ITU709、ITU709 (800%)、 S-Log2、S-Log3、HLG、HLG1-3 |
動画記録 | XAVC S 4K:3840 x 2160(30p, 100M) XAVC S:1920 x 1080(120p, 100M) AVCHD:1920 x 1080(60i, 24M, FX) |
||
スロー&クイック モーション撮影 |
1920 x 1080 (60p) 1fps~120fps |
||
実動画撮影時 (ファインダー /液晶モニター) |
約140分 /約150分 |
約70分 約75分 |
|
連続動画撮影時 (ファインダー /液晶モニター) |
約250分 /約250分 |
約125分 /約125分 |
|
30分連続録画制限 | -(制限なし) |
7. まとめ
すでに発売しているα6400に加え、α6600とα6100が登場したので他社ユーザーの方は選びにくい印象があるかもしれません。
ただ細かく機能や性能が分けられているので、自分にぴったりの機種が見つけやすくなったとも言えると思います。
もう一度3機種の違いをチェックして、カメラ選びを楽しんでみましょう。
- 3機種ともにリアルタイムトラッキング対応
- 下位モデルでも4K動画に対応
- 全てタッチシャッターに対応
- 入門機でも高感度画質が優れている
- α6600はボディ内手ブレ補正とバッテリーが長持ち
- α6600のグリップは大型化している
- α6600はカスタムボタンが多い
- α6100は低価格で高性能なAFが使える
- α6400はα6100より便利な機能が多い
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