ソニーからAPS-Cサイズのエントリーモデル、「α6100」が2019年10月25日に発売されることになりました。
前モデル「α6000」から5年以上経過しているため、大幅に性能がアップした機種となっています。
このページではα6100になってどのような点が変更されたのか、詳しく比較しています。
ノーノちゃん
コヤくん
このページの目次
1. 外形寸法
ソニーストア大阪で先行展示された、α6100の外観写真になります。
ボディカラーは<ブラック・ホワイト>の2色展開になっています。
以下は旧モデルのα6100とのサイズ比較になります。
基本は同じ外観になっています。α6100はチルト液晶の可動範囲を広くしたことでボディに少し厚みが出ています。
撮影モードダイヤルはα6100の方は「プレミアムおまかせオート」も一つの「オート」に統合されています。
性能アップに伴い、重量は50gほど増えています。
ノーノちゃん
コヤくん
2. 発売日と価格
2機種それぞれの発売日と相場はこのようになっています。
- α6100:2019年10月25日
- α6000:2014年3月14日
3. α6100の進化ポイント
α6100はソニーが他社をリードする最先端のAF性能が採用され、下位モデルでも高性能を体感できるようになりました。
その他旧モデルのα6000より進化したポイントがあるので、まとめてみました。
AF速度
- α6100:0.02秒
- α6000:0.06秒
旧モデルのα6000は、発売当時は「世界最速0.06秒」のファストハイブリッドAFが特徴でした。
そのAF速度はさらに速くなり、α6100は再び世界最速の0.02秒を達成しています。
体感的にはどちらも高速オートフォーカスなのですが、少しでも速くなっていることで一瞬のシャッターチャンスを逃しにくくなります。
AFポイント
画像出典:ソニー公式サイト
※α6100は同じAF性能のα6400の画像を使用
- α6100:像面位相差AF:425点
コントラストAF:425点 - α6000:像面位相差AF:179点
コントラストAF:25点
α6100は像面位相差AF、コントラストAFともにフォーカスポイントが大幅に増えて密度が高くなっています。
これによりピント精度が上がり、動く被写体を捉える性能が高くなっています。
AF追従性能
α6100は上位機「α9」のAF性能が導入され、オートフォーカスが進化しました。
- α6100:「リアルタイム瞳AF」「リアルタイムトラッキング」
- α6000:「ロックオンAF」
リアルタイム瞳AFは人や動物の目を、リアルタイムトラッキングはAIを活用した追尾フォーカスで被写体の色や模様を判断して追いかけてくれます。
この機能により、α6100はカメラ初心者でも動く被写体という難しい場面でも撮影できるようになっています。
こちらの動画でもテストされています。
急な動きでフォーカスが外れても、また人物に検出が戻っています。
動画撮影中は瞳AFは動作しませんが、被写体をタッチするだけで追尾してくれる「タッチトラッキング」機能を使うことができます。
タッチ操作
- α6100:タッチフォーカス / シャッター
- α6000:非対応
α6000はタッチ操作が非対応だったのに対し、α6100はタッチフォーカスとシャッターに対応しました。
操作にまだ慣れていない初心者でも、スマホカメラのように写真を撮ることができます。
また液晶画面をタッチパッドとしてフォーカスポイントを動かしたり、再生画像でダブルタップをして拡大する操作ができます。
※メニュー画面のタッチ操作はできません。
液晶モニター可動範囲
- α6100:チルト式液晶(上約180°、下約74°)
- α6000:チルト式液晶(上約90°、下約45°)
どちらの機種も液晶モニターが上下に動くタイプですが、α6100は可動範囲が広くなっています。
180°動くことで反転でき、液晶モニターを見ながら自撮りができるようになりました。
サイレント撮影に対応
α6100は下位モデルで初めて、シャッター音がしないサイレント撮影に対応しました。
静かな場所や周囲に気を使う画面でも、無音でシャッターを切ることができます。
カメラを嫌がる子供やペットの撮影にも、刺激を与えることなく撮影ができるので便利です。
なおサイレント撮影時の連写は最高で8コマ/秒となります。通常サイレント撮影時の連写は遅くなる機種が多いですが、この速さも優れたスペックになっています。
AF測距検出範囲(暗所AF)
- α6100:EV-2 – 20
- α6000:EV0 – 20
α6100は暗い場所でのAF精度を表すAF測距検出範囲が、「EV-2」となり性能が向上しています。
「EV-2」は現行モデルの入門機としては標準的な性能と言えます。
この性能が悪いと照明が暗い場所や夕方の風景などにピントが合いにくくなるので、少しでも性能が良くなっていることはメリットです。
4K動画に対応
α6100は下位モデルで初めて、動画の4K記録に対応しました。
フルHDでも綺麗ですが、さらに高精細な4K映像を記録することができます。
※上位機α6600にあるピクチャープロファイル(映像の色調補正機能)はありません。
スロー&クイックモーションに対応
α6100は動画機能に「スロー&クイックモーション」が追加されました。
この機能は4倍スローモーション映像や、早送りで雲が流れるようなインターバル撮影ができます。
スロー&クイックモーションの設定で動画の速度を選択し、撮影モードダイヤルを「S&Q」にするだけで簡単にスロー映像やクイック映像を撮ることができます。
ノーノちゃん
その他の変更点もあるので、ご紹介しておきます。
コヤくん
4. 変更点
性能アップ以外でも、ホワイトバランスなどの細かい機能が変更されています。
いずれも使い勝手が良くなる機能なのでご紹介します。
オートホワイトバランスの優先設定
α6100は通常のホワイトバランスに加えて、新たな設定が用意されました。
様々な照明に対応できるよう、ホワイトバランスの種類が増えています。
- 雰囲気優先
- ホワイト優先
「雰囲気優先」はやや赤寄りの色合いに、「ホワイト優先」はクリアな白に写ります。
例えばLED照明の電球色で照らされた状況で「ホワイト優先」を使うと、白い光の照明下で写したような色合いになります。
Bluetoothに対応
画像出典:ソニー公式サイト
α6100はBluetoothに対応したことで、Bluetoothリモコン(リモートコマンダー)の「RMT-P1BT」に対応しました。
RMT-P1BTは最新のソニーのリモコンで、どの方向からでもシャッターが切れたり、使用時にリモコン設定が不要(初回のみ接続設定あり)というメリットがあります。
USB給電に対応
α6000でもモバイルバッテリーからの充電は可能でした。
α6100はその充電だけでなく、給電にも対応しました。万一使用中にバッテリーが切れても外部電力でカメラを使うことができます。
外付けマイクに対応
α6100はマイク端子が装備されました。
これにより別売りの外付けマイクを接続し、より高音質で動画を記録することができます。
ノーノちゃん
次は、機能面で劣る部分もあるのでご紹介します。
コヤくん
5. 上位機と異なる点
旧モデルα6000の発売から長く間が空いたことで多くの進化があったのは確かですが、
α6100は下位モデルなので減らされている機能や性能もあります。
電子ファインダーの解像度など、他社の入門機に比べると見劣りする部分もあるので確認が必要です。
電子ファインダー解像度
α6000の電子ファインダーは約144万画素でしたが、α6100でも全く同じ解像度でした。上位機α6600などは約236万画素となっています。
α6000の電子ファインダーでも綺麗に表示されていますが、人によっては解像度の粗さが気になるかもしれません。
他社の入門機でも約236万画素が標準なので、もう少し進化して欲しかったところです。
水準器なし
α6100・α6000ともに、下位モデルのため電子水準器が省かれています。
広い風景では水準器を活用することで正しい水平構図を決めることができますが、その機能がないのは残念です。
防滴防塵仕様なし
ソニーは上位機のα6400などは防塵防滴を配慮した設計としています。
さすがに下位モデルには採用されませんでしたが、雨など水濡れに注意すれば大丈夫かと思います。
センサークリーニングなし
イメージセンサーのゴミ取り機能は、実は旧モデルのα6000には装備されていました。
残念ながらα6100では省かれています。
屋外でレンズ交換をする際は、マウント部を隠すようにするなど、ゴミがつきにくいよう対策が必要になります。
ノーノちゃん
コヤくん
6. 上手な選び方のポイント
α6100の進化した点や特徴をご紹介してきました。
ここでは新モデルのα6100と、旧モデルのα6000を検討している方に選び方のポイントをまとめています。
α6100
α6100は下位モデルとしては画期的な、上位機のAF性能が採用されていることが一番の特徴です。
しかもソニーの最新のオートフォーカスはAIを駆使していて、動く被写体が楽に撮影できるほどの性能になっています。
α6100は下位モデルの位置付けなので、比較的安価に設定されているのもお得感があります。
- ボディ
- パワーズームレンズキット
付属レンズは「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」 - ダブルズームレンズキット
付属レンズは「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」、
「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」
※レンズ名の「OSS」は手ブレ補正を表します。
α6000
α6000は2014年のモデルになります。4K非対応やタッチパネルではないなどの点がありますが、高感度性能は最新のAPS-C機と大差のない優秀な画質になっています。
また0.06秒のオートフォーカスなのでピント合わせは十分に速く、基本性能の高さからコストパフォーマンスはよくなっています。
- ボディ
- パワーズームレンズキット
付属レンズは「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」 - ダブルズームレンズキット
付属レンズは「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」、
「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」
※レンズ名の「OSS」は手ブレ補正を表します。
7. 性能比較表
新機種のα6100とα6000を比較した仕様一覧表になります。
機種名 | α6100 | α6000 |
---|---|---|
発売時期 | 2019年10月25日 | 2014年3月14日 |
マウント | ソニーEマウント | |
イメージセンサー | APS-C | |
画像処理エンジン | BIONZ X | BIONZ X(旧世代) |
画素数 | 2420万画素 | 2430万画素 |
ボディ内手ブレ補正 | – | |
ISO感度 | 100-32000 拡張:51200 |
100-25600 |
ISO AUTO低速限界 | – | |
マルチショットNR | ◯ | |
AF速度 | 0.02秒 | 0.06秒 |
AFエリア | 像面位相差AF:425点 コントラストAF:425点 |
像面位相差AF:179点 コントラストAF:25点 |
動体追従機能 | リアルタイムトラッキング | ロックオンAF |
瞳AF | リアルタイム瞳AF | 瞳AF |
AF測距検出範囲 (暗所AF) |
EV-2 – 20 | EV0 – 20 |
ピーキング | ◯ | |
シャッタースピード | 1/4000-30秒、バルブ | |
電子先幕シャッター | ◯ | |
フラッシュ同調速度 | 1/160秒 | |
サイレント撮影 | ◯ | – |
フリッカーレス撮影 | – | |
タッチフォーカス | ◯ (タッチフォーカス/タッチパッド/タッチトラッキング) |
– |
タッチシャッター | ◯ | – |
連写 | Hi+:11コマ/秒 Hi:8コマ/秒 Mid:6コマ/秒 Lo:3コマ/秒 |
Hi+:11コマ/秒 Mid:6コマ/秒 Lo:2.5コマ/秒 |
連続撮影枚数 | JPEG(Lファイン)77枚 ・RAW33枚 ・RAW+JPEG31枚 |
JPEG(Lファイン)49枚 ・RAW21枚 ・RAW+JPEG21枚 |
ファインダー | 0.39型 約144万ドット 倍率 約0.7倍 |
|
背面液晶モニター | 3インチ (92.16万ドット) |
|
可動液晶モニター | チルト式液晶 (上約180°、下約74°) |
チルト式液晶 (上約90°、下約45°) |
測光範囲 | EV-2 – EV20 | EV0 – EV20 |
ダイナミックレンジ機能 | Dレンジオプティマイザー、 オートHDR |
|
アンチダスト作動 | – | 電源OFF時 |
14bit RAW 出力 | ◯ | – |
SDカードスロット | シングルスロット | |
リモート機器 | RMT-P1BT | RMT-DSLR2 |
Wi-Fi | ◯ | |
NFC | ◯ | |
マルチ/ マイクロUSB端子 |
◯ | |
HDMIマイクロ端子 | ◯ | |
マイク端子 | ◯ | – |
ヘッドホン端子 | – | |
本体内充電/USB給電 | ◯ / ◯ | ◯ / ― |
内蔵フラッシュ | ◯ | |
カラー | ブラック ホワイト |
ブラック ホワイト シルバー グラファイトグレー |
防塵防滴仕様 | – | |
撮影可能枚数 (ファインダー /液晶モニター) |
約380枚 /約420枚 |
約310枚 /約360枚 |
バッテリーパック | NP-FW50 | |
外形寸法(mm) | 120(幅) 66.9(高さ) 49.9(奥行) ※グリップ込の奥行きは59.4 |
120(幅) 66.9(高さ) 45.1(奥行) |
重さ(バッテリー、 メモリーカード含む) |
約396g | 約344g |
機種名 | α6100 | α6000 |
---|---|---|
ファイル記録方式 | XAVC S、AVCHD規格 Ver.2.0準拠 | AVCHD規格 Ver.2.0準拠、MP4 |
圧縮形式 | XAVC S: MPEG-4 AVC/H.264 AVCHD: MPEG-4 AVC/H.264 |
AVCHD: MPEG-4 AVC/H.264 MP4: MPEG-4 AVC/H.264 |
内蔵マイク | ステレオ | |
音声記録方式 | XAVC S: LPCM 2ch AVCHD: Dolby Digital (AC-3) 2ch ドルビーデジタルステレオクリエーター搭載 |
HD: Dolby Digital (AC-3) 2ch ドルビーデジタルクリエーター搭載 MP4: MPEG-4 AAC-LC 2ch |
ピクチャー プロファイル(ガンマ) |
– | |
動画記録 | XAVC S 4K:3840 x 2160(30p, 100M) XAVC S:1920 x 1080(120p, 100M) AVCHD:1920 x 1080(60i, 24M, FX) |
AVCHD:1920 x 1080(60p, 28M, PS) AVC MP4:1440 x 1080(30fps) |
スロー&クイック モーション撮影 |
1920 x 1080 (60p) 1fps~120fps |
– |
実動画撮影時 (ファインダー /液晶モニター) |
約70分 /約75分 |
約60分 /約60分 |
連続動画撮影時 (ファインダー /液晶モニター) |
約125分 /約125分 |
約90分 /約90分 ※連続29分制限あり |
8. まとめ
α6100は特徴である最新のAF性能がついたことで、撮影で重要なピント合わせをカメラおまかせにできるようになりました。
タッチパネル対応にもなっているので、ますます簡単に使えるカメラとしてご紹介できるようになっています。
- 瞳Af・リアルタイムトラッキングに対応してピント合わせが簡単
- タッチシャッターに対応し、スマホカメラのように使える
- 液晶モニターが反転して自撮りができる
- 暗い場所でのピント精度が高くなった
- サイレント撮影が可能になった
- スローモーション・クイック映像が撮れる
- 4K動画に対応
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