カメラの可動液晶モニターにはバリアングル液晶とチルト液晶の2タイプがあります。
どちらも動く液晶モニターですが、可動域の違いを理解することで自分の撮影スタイルに合うカメラを見つけることができます。
このページではバリアングル液晶・チルト液晶の特徴や、採用している機種の一覧表をご紹介しています。
ノーノちゃん
コヤくん
このページの目次
1. バリアングル液晶とは
バリアングル液晶とは、液晶モニターを開いてどの角度にも回転できる液晶モニターになります。
どのバリアングル液晶の機種も可動域はほぼ同じで、自由度が高いことが特徴です。
バリアングル液晶のメリット
バリアングル液晶を使うことでローポジションやハイポジションでも撮影しやすくなり、また液晶モニターを横に開くことで自撮りもできます。
また縦位置で地面スレスレの低い位置でも、上から見下ろして撮ることができます。
バリアングル液晶のデメリット
バリアングル液晶はどの角度にも対応できる反面、一旦液晶モニターを開いて反転させる必要があります。
そのため素早く液晶モニターを展開したい場合のスピーディさは一歩劣ります。
また液晶モニターが横に位置することでカメラの光軸とずれるため、液晶画面の確認はやや斜めに視線を移す必要があります。
ノーノちゃん
次はチルト液晶をご紹介します。
コヤくん
2. チルト液晶とは
チルト液晶とは、上下に傾けられる液晶モニターをいいます。
液晶モニターの下部を開くとすぐにローポジションが可能になります。
また一部の入門機を除き、液晶部を引き出してハイポジション用に角度を変えることもできます。
チルト液晶のメリット
チルト液晶はモニターを開いて、素早くローポジションやハイポジションをとることができます。
常に液晶モニターが光軸上に位置することも特徴で、被写体と液晶モニターを真っ直ぐに確認することができます。
可動範囲は機種によって違いがあり、近年は反転して自撮りができるチルト液晶も増えています。
チルト液晶のデメリット
チルト液晶タイプは、機種によって自撮り用の反転ができないことがあります。自撮りスタイルで使う場合は購入前に確認が必要になります。
また映像撮影ではホットシューに外部マイクを装着することがありますが、上に開くタイプだとマイクで画面が見えなくなってしまいます。
(機種によってはマイクを横につける専用アダプターが販売されています。)
また可動域は上下に傾けるだけなので、バリアングル液晶のようにロー・ハイポジションで見やすく角度をつけることができなくなります。
そのためローポジションでは、腰を落として低い姿勢で液晶モニターを確認することになります。
3軸チルト液晶
3軸(3方向)チルト液晶は、上下に傾けるだけでなく縦構図の位置にも調整できるタイプになります。
上下のみのチルト液晶より自由度が高く、ローポジションの縦構図でも楽に撮影をすることができます。
デメリットとしては3軸チルト液晶は厚みが出てボディサイズが大きくなることです。
またこのタイプの液晶を採用している機種が少なく、富士フイルムX-H1やペンタックスK-1 mkIIなど一部の機種に限られています。
ノーノちゃん
コヤくん
3. 可動式液晶モニターの機種一覧
現行機種(2020年8月現在)で、可動液晶タイプ(レンズ交換式カメラ)の機種をまとめてみました。
バリアングル液晶とチルト液晶それぞれで、一眼レフとミラーレスに分けています。
バリアングル液晶
■一眼レフ
ニコン | D5600 |
---|---|
キヤノン |
EOS 6D Mark II EOS 90D EOS 80D EOS 9000D EOS Kiss X10i EOS Kiss X10 |
ペンタックス | PENTAX K-70 |
■ミラーレス
キヤノン |
EOS R5 EOS R6 EOS R EOS RP EOS Ra EOS Kiss M |
---|---|
ソニー | α7S III |
オリンパス | OM-D E-M1X OM-D E-M1 Mark III OM-D E-M5 Mark III PEN-F |
パナソニック |
S1H(フリーアングル液晶) GH5 GH5S G9 G99 G8 G100 |
富士フイルム | X-A7 X-T4 |
チルト液晶
■一眼レフ
ニコン |
D850 D810A D780 D500 D7500 |
---|---|
ソニー |
α99 II(3軸チルト液晶) α77 II(3軸チルト液晶) |
ペンタックス |
K-1 Mark II(フレキシブルチルト液晶) KP |
■ミラーレス
ニコン |
Z7 Z6 Z5 Z50 |
---|---|
キヤノン |
EOS M6 Mark II EOS 200(※ハイポジション不可) EOS M5 |
ソニー |
α6000 α6100 α6400 α6600 α7SII α7III α7RIV α9II |
オリンパス |
OM-D E-M10 Mark III PEN E-PL10 |
パナソニック |
S1(3軸チルト液晶) S1R(3軸チルト液晶) S1H(フリーアングル液晶) GX7MK3 GF10/90(※ハイポジション不可) |
富士フイルム | X-H1(3軸チルト液晶) X-T100(3軸チルト液晶+水平反転) X-T3(3軸チルト液晶) X-T30 X-A5(※ハイポジション不可) |
4. まとめ
バリアングル液晶とチルト液晶は、どちらも便利なメリットがあります。
自分に適した可動タイプを選んで、撮影を楽しんでみてください。
- バリアングル液晶はどの角度でも対応
- バリアングル液晶はローポジションの縦位置が便利
- バリアングル液晶は視線が光軸上からずれる
- チルト液晶は素早くローポジションがとれる
- チルト液晶の3方向可動タイプは縦位置も対応できるので便利
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